4月19日にオープンした、日本初のガソリンスタンド併設型水素ステーション。車両への水素の充填は資格を保有する専門のスタッフがおこない、1回の充填時間は約3分。現在のところ、実験的段階ということもあり燃料(水素)代は無料となっている。
気になるのは、実際に商業化される場合の水素代が一体いくらになるかということだ。その疑問を、実際に販売する側となるJX日鉱日石エネルギー(ENEOS)の研究開発本部広瀬正典氏にぶつけてみた。
「まず伝えておきたいのは、みなさんは『コスト』と『プライス』を混同しているということです。コストからいえば、作るのにいくらかかりました、運ぶのにいくら、そして施設設置や維持にいくら、という話になります。」
水素ステーションを作ってもしばらくは1日あたり1人が使うか使わないかということになる。それらのコストを価格に転換すれば「1回あたり数万円という価格になる」と廣瀬氏。
「しかし、それではFCVの普及はありえませんよね? だから、コストからの計算は出来ないと思います。プライスから議論しないといけないのです。」
「どれくらいの価格ならみなさんに納得していただけるか? 多くの人にとっては『ハイブリッド車と同じ程度の燃料コストで済む範囲』となるでしょう。それをヒントにしていただければ」
実際の水素チャージの価格が決まるのはしばらく先の話である。しかし、少なくともコストを反映した恐ろしいほど高い価格というわけではなさそうだ。