2013年のルマン24時間耐久レースへの参戦を表明しているマツダが発表したプロトタイプマシン。
搭載するSKYACTIV-Dレーシングエンジンは、ルマン プロトタイプ(LMP2)クラスおよび米国のグランダムシリーズに、2013年より新設されるGX(グリーンエネルギー車)クラス用に開発されたカスタマー用レーシングエンジン。北米マツダを通じてカスタマーチムに供給される予定だ。
ベースは『CX-5』や『アテンザ』に搭載される2.2リットルの4気筒・マツダSKYACTIV-D エンジンで、マツダ本社と北米マツダのモータースポーツ開発チームである「スピードソース レースエンジニアリング」との共同開発によるもの。
マシンのシェイクダウンは今月中にもおこない、1月末に開催されるグランダムGXシリーズの開幕戦でもある「デイトナ24時間レース」が実戦デビューとなる。本戦以外にも、このエンジンを用いてアメリカン・ルマンシリーズに参戦する計画もあるという。
スペックシートによると排気量2191cc、ボア×ストロークは86×94.3mmというロングストロークは市販エンジンと“ほぼ”同一(市販エンジンのストローク値は94.2mmで0.1mmだけ小さい)。エンジンの許容回転数は5200rpmとガソリンのレーシングエンジンと比べれば当然低いが、最高出力は420bhp以上、最大トルクは685Nmというディーゼルならではの高トルクエンジン。エンジン単体の重量は148kgとのこと。組み合わされるシャシーはローラB12/80クーペ。
ルマン24時間やWEC(世界耐久選手権)では、アウディのルマンカーでディーゼルエンジンを搭載する『R18 e-tronクワトロ』や『R18 ウルトラ』が優れた燃費を武器に、ガソリンエンジン勢に対して優位に戦った。トップカテゴリーのLMP1クラスへの参戦ではないというは、少々残念だが、マツダのディーゼルエンジンがどのような戦いぶりを見せるかも注目だ。