日産自動車からグローバルセダンとして発売された、新型『シルフィ』の日本でのターゲットは60代であるが、世界では20代や30代のユーザーも多く購入するという。
「セダンを買うということは、4枚のドアがあって、トランクが独立してと、そういう機能で選ばれているのではないと思います。セダンというのはスタイルというものを凄く大事にされている方が買うと思うのです」とは、グローバルデザイン本部プロダクトデザイン部プロダクトチーフデザイナーの大月圭介さんの弁。
「そういった意味で、国内市場では確かに年齢層は凄く上がっていますが、だからといって、そういう価値観で創っていいかというと、そうではなく、セダンらしいスタイルをどうやって創るかが大事なのです」という。そして、「日本でターゲットとしている60代ユーザーに限定していないというところがポイントです。グローバルセダンとして見ると20代、30代のユーザーも購入します。そういうセグメントで戦っていくためには、ダイナミックさやスポーティさは絶対に必要で、そういったバランスをうまくとっています」と述べる。
大月さんは、「国内のこのクラスで、デザインを重視した価値観で選べるセダンは唯一のモデルだと思います。それがこのクルマの価値だと思うのです」とし、「そこにこだわって国内のマーケットを見渡すと、この価値を満たしてくれるのは、日本ではLセダン以上や輸入車になってしまいます。国内市場では他社に横に並ばれても、十分にデザインが優っているセダンと映るでしょう」と自信を見せる。
そして、「シルフィは国内専用モデルではなく、グローバルモデルです。では、なぜグローバルモデルとして各国一緒に作るのかというと、このセグメントは海外では主戦場です。その中で鍛え上げられたうえで、日本に持ってくることにより、高い年齢層でもデザインコンシャスの方にはびたっとはまるだろうと思うからなのです」と語った。