アウディジャパンから『A6ハイブリッド』が発売された。その価格は690万円である。
「A6ハイブリッドのポイントは、価格と中身のバランスです」とは同社営業本部商品企画部長の野田一夫さん。「(レクサス『GS450h』の700万円に対して)こちらは輸入車のアウディで、レザーシートが標準、BOSEも装着。ナビやサンルーフ、LEDライトなど全部装着したうえで、国産ハイブリッドを下回る価格設定には、かなり苦労しました」という。
「『A6 3.0 TFSI quattro』は835万円の設定で、BMWは「ActiveHybrid 5」を850万円で出しています。本来このくらいの価格帯にあるクルマだとは思います。それを日本では700万円を切る価格で出したのです」と述べ、「中身をはぎ取って安いモデルを作るのでは意味がありません」とこの値付けに自信を見せた。
そして、野田さんはこれからの課題として、「クルマの良さをどう体感してもらうか」だという。それは、「なぜクワトロが装備されていないのか、また、2リッター4気筒ということで(パワーは)十分かという質問もあるでしょう。実際に乗ってもらえれば分かるのですが、競合車のエントリーモデルが4気筒1.8リッターや2リッターになっています。こちらは、4気筒を積んで更にモーターアシストがついているので、走りは十分なのです。それをいかに伝えていくかです」
では、なぜクワトロを採用していないのか。「来年デビューする『Q5ハイブリッド』はSUVなので4駆は外せないでしょう。それに対して、A6ハイブリッドと、『A8ハイブリッド』はセダンです。そして、ハイブリッドを購入するユーザーは、環境性能が一番です。それを達成するためには何が良いかを考えた時、クワトロは素晴らしいシステムですが、重量が重くなることもありますので、それよりも環境性能に特化する方を選んだのです」と語った。