【PHVオーナーの夏】「電力ピークを上げないこと」それがPHV乗りのマナーだと思う

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東京電力7月26日の供給力に対する需要ピーク予想は90%だった。
  • 東京電力7月26日の供給力に対する需要ピーク予想は90%だった。
  • 東京電力の最大電力実績カレンダー。90%を越えたのは計3日間。
  • 最大電力は気温と密接な関係がある。90%を越えた3日間はそれぞれ32、33、35度の最高気温を記録した。
  • 23日の三浦家の電力利用。青がPHVへの充電電力。黄色が三浦家合計電力。13時頃にエアコンなど家電とPHVへの充電が重なりピークカットが働くも、家電だけで契約の40アンペアを越える電力消費を示した。幸いにもブレーカーは落ちなかった。
  • 24日の三浦家の電力利用。今日のPHVは一日中車庫でお休み。家電のみの利用電力の参考になる。11時台にピークが来ている。
  • 25日の三浦家の電力利用。午前中にPHVへの充電が終わるも、12時のピーク電力は40アンペアを越えた。
  • 26日の三浦家の電力利用。11時台のピークは40アンペアを越えた。
  • 27日の三浦家の電力利用。H2Vマネージャーの予約設定で13時から16時の充電を止めた。ピークが分散されたとも言えるが、夕方のピークにぶつかってしまったとも見て取れる。要研究。

7月26日の神奈川(横浜)の最高気温は35度だった。夏休み中の娘が熱中症になり駅で倒れたくらいだから今年の夏もかなり暑い。一方で関西では夏の電力消費ピークに電力が足りないという理由で、福井県の大飯原発を再稼働させて国内外の議論を巻き起こしている。

プリウスPHVにコンセントを繋いで充電するという行為がもはや生活の一部になった三浦家では、この夏の電気との付き合い方に対して多少身構えている。

まずはわが家の電力消費について。昨年まではリビング、寝室と子供部屋の計3台のエアコンが設置されていたが、今年は姉妹の勉強部屋を分けたために1台エアコンを追加してしまった。よって40アンペア契約に対して電磁調理器、エアコン4台、そしてプリウスPHVがぶら下がる夏となる。

ブレーカー落ちを心配したが、夏になってからはまだ落ちていない。しかし、トヨタがPHVと同時発売した『H2Vマネージャー』を使って電力消費グラフを見てみると、毎日のように40アンペアをピーク電力で超えていることがわかる。幸い瞬間値なのでブレーカーは落ちていないが、この先気温が30度を超えるような日が続くことが予想されるので気をつけなければならない。

H2VマネージャーはPHVへの充電によって契約アンペアを超えないようにピークカット機能が働くことが特徴だ。ところがわが家のようにガスコンロの代わりに電磁調理器を使ったり、エアコンが同時に複数の部屋を冷やしたり、電子レンジ、ドライヤー、洗濯機、掃除機など電力をたくさん使う家電が多い家庭では、契約アンペア数を上げるか同時利用に留意するしかない。H2Vマネージャーを開発したトヨタメディアサービス小島副社長によれば、「JEM-A端子という日本電機工業会が定めたホームオートメーション用の機能を利用すれば、ブレーカーが落ちそうな大電量が流れた場合に、自動車充電-エアコン-電磁調理器のような順位で通電を切ってゆくことも可能」として将来H2VマネージャーのJEM-A端子対応も検討しているという。

一方で、現在実現しているPHV充電のピークカット機能を、H2Vマネージャーと家庭用光ファイバーやADSL経由で繋がったクラウド経由で制御することはなるべく早く実現したいという。

「H2Vマネージャーはインターネットを介してトヨタスマートセンターと繋がっています。お客様の地域の電力ピークを監視しながらPHVへの充電をオンラインで止めるようなピークシフト機能を持たせたい」(同小島副社長)

本日7月26日、東京電力の供給力に対する需要ピークは14時から15時の91%だった。電気自動車(EV)やPHVが増えることで、電力ピークが上昇し、原発再稼働や新たな火力発電所の増設に繋がることは今の日本の実情からは望まれていない。電力供給に余裕がある時間帯に充電をシフトする機能こそ日本の夏に欲しいのだ。

EVやPHVは家電と違って蓄電池を内蔵している。PHVに限るならばたとえ充電がカラでもクルマはハイブリッドカーとして高燃費で走行できる。プリウスPHVではEV走行比率を高めることが、家庭のエネルギーコストを低くするポイントではあるけれど、「ピークシフトは隗より始めよ」ということで、わが家では13時から16時の電力ピーク時には充電を行わない設定とした。

H2Vマネージャーの「予約設定」で、充電開始を16時に、充電終了を13時に設定しておくと、13時〜16時にはプリウスPHVへの充電を行わない。この時間についてはピークシフトプランを参考にした。時間帯の拡大は東京電力の電力ピークの推移を観察しながら決めてゆくことを考えている。

《三浦和也》

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