日野自動車の山本章正専務は7月25日の第1四半期決算発表の席上、アジアや中近東といった日本メーカーが強い地域でのトラックの販売競争が、欧州勢の参画によって今後厳しくなってくるとの見通しを示した。
欧州市場は信用不安の影響で悪化しており、欧州を本拠とするダイムラーやボルボといった世界的なトラックメーカーは、アジアなどの新興諸国で活路を見出そうとしている。山本専務は、「すでにインドでは(欧州メーカーによる)工場進出の動きも出ている。これまでは中国および韓国メーカーとの競争を念頭においてきたが、欧州も加わり一段と厳しくなるだろうと感じている」と語った。
アジアは、いまや日野にとって最大の販売先となっている。同日発表した第1四半期の実績は「主力のインドネシアとタイの需要が強い」(山本専務)こともあって前年同期比61%増の約1万8600台と、最高を記録した。今後の競争を乗り切るには「(海外勢に)対抗しうる安いクルマを、よりいい品質で造るということ」と、あくまでモノ造りの基本の徹底を強調した。