シボレーの名から想像したのは、アメリカンなコンパクトカー。だが『ソニック』はアジア生まれ。日本車を猛追(抜かれているか)しているアジアの勢いそのままに、デザインや走行性能や使い勝手ほか、日本車とはひと味違う構成でユーザー心をくすぐってきた。
エンジンは1.6リットルDOHC。115ps/15.8kgmのパワーとトルクは、加速は十分に満足できる速さを持つものの4000rpm付近から高まるノイジーさが耳につく。
このクラスでもしっかり「6速」トルコンATを搭載し、Dレンジの自動シフトはスムーズに。シフトレバー横のシンプルなタップスイッチでマニュアル操作が手軽に決まる。
アメリカの延々と直進するフリーウェイを手放しでも走行できるだろう。それほどの直進安定性と、曲がる特性は欧州車テイストの粘り腰。硬過ぎず軟らか過ぎないサスペンションが滑らかな乗り味を実現する。
シフトレバーをDに入れるとドアがロックされるセキュリティ感覚がアメリカ的。坂道発進をアシストするHASがこのクラスに装備されるのも驚き。
日本の同クラスを脅かす存在になること間違いなし。
■5つ星評価
パッケージ:★★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
おススメ度:★★★
桂伸一|モータージャーナリスト/レーシングドライバー
1982年より自動車雑誌編集部にてリポーター活動を開始。幼年期からの憧れだったレース活動を編集部時代に始め、「乗れて」「書ける」はもちろんのこと、読者の目線で見た誰にでもわかりやすいレポートを心掛けている。レーシングドライバーとしての戦績は、アストンマーティン・ワークスからニュルブルクリンク24時間レースに参戦。08年クラス優勝、09年クラス2位。10年は…!? レース直前にスポンサー絡みのドライバーに割り込まれて不参加。世知辛い世の中であります。