試乗会で試乗したあと約5日間個人的に広報車をお借りして東京-大阪を往復してみた。
EVモードを使いきった状態でHVでの燃費を計測した。結果は524.7km走って燃費は24.7km/リットル、平均速度は68km/hだった。いちばん気になっていたバッテリーの重量増とリチウムイオン電池による効率がHV走行の燃費にどのような影響を与えるのかを知りたかった。
PHVではないHVの燃費は、同じような道のりで約21km/リットルだったと記憶しているから、この24.7km/リットルはかなり良い数字だと個人的に解釈している。しかも、HVの時はそれなりに大人しくエコ走行をした結果の数字だった。もちろんこれにEV走行の約20kmを加えれば燃費はさらに上がる。実燃費についてはかなり満足できるものになっているといえるだろう。
EV走行の力感は、力強さは薄いものの市街地の加速レベルには十分についていけるもの。充電時間も100V、200V共に試したが、以前のプロトタイプよりも短くなっている。チャージ用のケーブルに付属するコントロールユニットがコンパクトになり、使いやすくなったが、ケーブルそのものが若干短かったため場所によっては延長コードが必要だ。あと1mあればと感じた。
ロードノイズは若干大きく感じられたが、ハンドリングは少しずつ進化している。高速直進安定性が高く感じられたのはバッテリー重量が増え前後重量バランスが良くなったからかもしれない。重さは感じるが、それが走りをスポイルしているとは感じられなかった。
プロトタイプでは一度EV電池を使いきると電源から充電しない限りEV走行はできなかったが、市販モデルからは条件さえそろえばHV走行中にバッテリーの中のEV用エリアにも充電し再びEV走行が可能となった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア・居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
スローエイジングという独自の健康法を実践しスーパーGT最年長55歳の現役レーサー。今でも若者レーサーとバトルを演じるレベルを保っている。国内レースだけでなく海外レースにも多くの出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。