ジュネーブモーターショー12で発表された三菱『アウトランダー』は、東京モーターショー09や11でお披露目された『PX-Mive』の市販化モデルである。
「09年のコンセプトモデルが非常に好評でしたので、デザインのブラッシュアップを軸としながら、大きな変更をせずに市販化に至りました」と語るのは、デザイン本部東京デザインスタジオの松岡亮介さん。
その間の課題は何だったのだろう。「ベルトラインの高さです。モーターショーの時はとても高い位置にベルトラインを設けることで、ドアを(高さ方向で)厚くし、チョップドルーフのようなデザインでした。ショーモデルなので多少お化粧の意味もあったのですが、デザイナーとしては下のボディを厚く見せたいと思ったのです」
その後、市販化に向け、「SUVの使い勝手や、ファミリーカーの使われ方などを吟味した結果、ベルトラインの適度な高さや、Aピラーを少し立て見晴らしをよくするなど、だいぶ手を加えて、バランスをとりました」(松岡さん)。
機能的な面では、三菱車ユーザーは山に行くことも多いことからこういった意見があった。「ラリードライバーの増岡浩さんから直接、三菱のクルマは前方視界が良くないと駄目だよとハッパをかけられました(笑)。やはりきちんとSUVとして乗った時にボンネットフードが見えて、四隅のタイヤの位置が何となく感覚的にわかるということを大事にしたいと思いデザインしました」とした。