【デリカD:5で行くペットとの旅 前編】逞しさとホスピタリティが共有するクルマ

試乗記 国産車
三菱 デリカD:5
  • 三菱 デリカD:5
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  • 三菱 デリカD:5
  • 足柄SA(下り)に到着
  • 足柄SA(下り)のドッグラン
  • 足柄SA(下り)のドッグラン
  • 足柄SA(下り)のドッグラン
  • 足柄SA(下り)ドッグカフェhuladog

日本における発表、発売前に過酷なパリダカールラリーのサポートカーとして完走した実績ある『デリカD:5』は、世界中を見渡してもライバルなきミニバンだ。

逞しいスタイリング、キャビン最優先のパッケージ、充実した安全先進装備、また2WD車はアイドリングストップ機構を追加したことで15.0km/リットルの好燃費を得た高い環境性能、装備・仕様を深く知れば知るほど唸らされるペットフレンドリー度などが大きな特徴である。

そしてオン/オフを問わない高い走破性能、安心感によって、誰もがどこまでも走っていきたくなる、どこか遠出したくなる衝動に駆られるに違いない。とくに後席からは天井左右をほ乳類の骨格のように結ぶリブボーンフレームがかつてない車内風景をもたらし、乗員に絶大なる安心感を与えてくれるのだ。

春はドライブに最高の季節。さっそくデリカD:5の4WDモデルに愛犬のマリア(ラブラドールレトリーバーの女の子/6歳)を乗せ、“河津桜祭り”でも有名な伊豆・河津を目指した。

そこには本当に旅なれた愛犬家がこよなく愛す、ホスピタリティに満ちた森のホテル「四季の蔵」がある。愛犬と泊まれる高級宿の草分け的存在であり、つい最近、敷地内にふたつの露天スパが完成。施設を充実させたばかりでもある。

デリカD:5は愛犬とドライブするのに適したミニバンである。最新モデルは2.4リットルの4WDと2リットルのアイドリングストップ付き2WD、さらには2列目キャプテンシートの7人乗り、2列目ベンチシートの8人乗りが選べ、シートアレンジはバリエーション豊富で自由自在。愛犬の乗せ方もまた自在なのである。

8人乗りなら2列目席、3列目席を片側格納した横のフロアスペース、2列目席片側をチップアップ&スライドさせた横のフロアスペースなど、乗車人数や荷物の大小によってアレンジできる。

7人乗りであれば、最大6人乗車で2列目席キャプテンシートの間に愛犬を寛がせることだってでき、ほとんどのアレンジで愛犬は飼い主(乗員)の目の届くところにいられる。これはドライブ中の愛犬の安心感、あるいは体調管理という面でも最適。さらに2/3列目席フルフラットアレンジによって愛犬との車中泊も可能だ。

そうそう、愛犬とドライブする際は、マリアのように洋服を着用させるといい。お出かけ感(の緊張)が増すとともに、車内(レストランや宿のフロアを含む)を抜け毛で汚さない、車内に臭いを付着させないという効果もあるからだ。
 
では、デリカD:5のペットフレンドリーポイントを6つ紹介しよう。

1、まずは悪路の走破性を考慮した最低地上高210mmにして、荷室の開口部高はワゴン並みの620mmとごく低く、中大型犬なら快適に乗降できる。荷室から2列目席部分へ歩いていくこともできる。

2、大型ミニバンならではのリヤクーラーが完備され、その吹き出し口は2/3列目席、拡大した荷室部分の天井左右にあり、車内後部にいる愛犬も涼しく快適。犬は暑がりなわけで…。

3、全シートのクッション、シートバック、ドア内張りは“COCOCHIインテリア”に含まれる撥水・撥油機能を持つ汚れプロテクト加工シート生地を使用しているため、犬を乗せたときの汚れも気にならない。これは嬉しい。

4、エアコンは車内のペット臭を低減してくれる脱臭機能付クリーンエアフィルターを採用。UV&ヒートプロテクトガラスの採用とともに、愛犬同伴の車内空間をより快適にしてくれる。

5、意外なペットフレンドリーポイントとなるのがマグネシウム合金製パドルシフト。下手にブレーキを踏むよりショックなく減速、スピードコントロールでき、加減速Gが低減するため、乗っている人も犬もより快適。強いGがかかると、犬は爪を出し踏ん張るものだが、爪が出っぱなしだと犬は疲れてしまう。

6、3列目席のシートサイズが、普通の大型ミニバンの2列目席並みにあるため、愛犬を3列目席にもしっかり座らせることができる。人間最大5~6人+愛犬+荷物という理想的な車内フォーメーションが可能だ。

ペットとともにドライブへ

今回の1泊2日のドライブは東名高速を西へ向かい、沼津ICから伊豆半島を南下。伊豆中央道、修善寺、ループ橋を経由して河津へと向かうコースだ。愛犬とのドライブでは1.5時間~2時間に1回の休憩(お散歩)が欠かせないが、その休憩ポイントを足柄SA(下り)に設定。日本で始めてドッグカフェ「huladog」をオープンさせた、犬のサイズ別のドッグランも完備する愛犬家御用達のSAだ。

東名高速を巡行するデリカD:5の室内は、そのタフで迫力あるスタイル、車高の高さから想像もできないほど静かだ。マリアはゆったりとしたサイズのシートを持つ後席ですでに夢の中にいる。今日、明日と、どんなに美味しいものが食べられるか、どれだけ楽しいことが待っているか、そんな夢を見ているに違いない。

そして全高1870mmの車高にして直進安定性は素晴らしく、またレーンチェンジ時やカーブでの安定感、姿勢変化の少なさは乗って走らせてみて気づくデリカD:5の基本性能の高さだ。もちろん、マリアはそうした快適な走行感覚が気に入った様子。でなければすやすや眠っているわけがない。自称(!?)自動車評論犬のマリアは、乗り心地が気に入らないと、文句をいうつもりなのか、険しい顔をしてお座り状態のままなのだから。

足柄SA(下り)ドッグカフェhuladog

やがて足柄SA(下り)に到着。「パーキングの手前側に停めるとドッグカフェhuladogに近いワン」と、何度も来ているマリアが教えてくれた。そこでは人間は足柄牛のハンバーグ、おっと、忘れちゃいけない、マリアにもワンコ用の足柄牛のハンバーグを注文。快適な店内でランチタイムを楽しむことができた。お水用のボウルもあり、小型犬なら用意されているマットを敷いて、椅子の上に座ることもできるから嬉しい。

東名高速・沼津ICを降り、修善寺から河津のあいだに差しかかるとクネクネした山道が続く。しかしデリカD:5はそんな場面でも快適な乗り心地を示し、安定感たっぷりだ。そもそもパリダガールを走破したミニバンだから、山道に弱いはずもない。道幅はどんどん狭くなるものの、運転していると、高く見晴らしのいい視界もあって、不思議と大きな車体が気にならない。どころか、車体と一体感ある操縦感覚さえ味わうことができるのだ。

四季の蔵

宿泊する四季の蔵は、閑静な山の中に建つアジアンテイスト満点のホテルだが、それだけに最後のアクセスは急坂を登ることになる。そこでもデリカD:5の実力はいかんなく発揮される。抜群の駆動力に加え、坂道発進の際のずり下がりを一定時間制御するヒルスタートアシストが頼もしい。

そんなわけで、東京からおよそ190kmの距離のドライブも疲れ知らず。無事に四季の蔵に到着。クルマがホテル前に着くと、すでにペットフレンドリーなスタッフが待ち構えていてくれた。チェックインをフロント前のテーブルに座って済ますと、アジアンテイストある中庭に面した雰囲気あるラウンジでウェルカムドリンクのお茶をいただき一休み。その間に荷物はお部屋の中に運ばれているという気遣いだ。マリアの荷物だけでも、マイベッドを始めけっこう多いんですよ…。

四季の蔵の本館で今回、宿泊したのは40平方mとゆったりした広さのファミリールーム。3人から最大5人まで宿泊できる。室内はベッドルームと畳みの小上がりに分かれた清潔で居心地のいい空間だ。家具はバリ直輸入のアイテムでまとめられているこだわりで、窓からは伊豆の海が眺められる。バブルジェットバスのバスルームも広々。宿泊プランは「ガーデンSPAを楽しむプラン」である。

(後編に続く)

ホテル四季の蔵
静岡県加茂郡河津峰1169-3 0558-32-1272
http://www.shikinokura.com/
1泊2食付き 大人1名1万7500円~(ワンコ料金 1頭 2100円)
ガーデンスパプラン(大人1名20500円~)など、各種プランあり
チェックイン15:00 チェックアウト11:00

《青山尚暉》

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