【新聞ウォッチ】正念場のマツダ、1700億円“大量輸血”で赤字体質脱却へ

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2012年2月22日付

●2次支援合意、ギリシャ国民「喜べない」「賃金減る」緊縮策に怒り(読売・7面)

●マツダ新興国で攻勢、1700億円増強「円高に強い体質」目指す(読売・8面)

●モノ探しお手伝い、日立、人型ロボ新作(読売・8面)

●マツダ株が急落、終値16年安145円(毎日・8面)

●三菱自動車が新たな防災指針、従業員安否情報家族にもアクセス可(産経・11面)

●米3社、日本で再攻勢、小型・低燃費車にシフト、業績回復追い風に(日経・13面)

●東北で新工場検討、デンソー15年度、営業利益率8%(日経・13面)

●現代自動車・ソナタ、第一汽車・紅旗「トミカ」に韓流・華流(日経・31面)

ひとくちコメント

先週には社運をかけて「SKYACTIV」という新技術群搭載のSUV『CX-5』を発表したばかりのマツダが、再び正念場を迎えている。最大で1700億円規模の資本増強に乗り出す方向で主力取引銀行の三井住友銀行などと最終調整に入ったという。

1000億円規模の増資を目指すほか、金利は高いが返済の優先順位が低い「劣後ローン」を、700億円規模で借り入れる方向で検討している。21日の夕刊各紙が速報したが、例えば日経の夕刊1面には、「ギリシャ追加支援合意」のトップ記事の隣に「マツダ、1700億円調達、財務基盤を強化」との大きな見出しで伝えていた。

きょうの各紙もその続報を「マツダ、海外シフト」(朝日)、「マツダ、円高に強い体質目指す」(毎日)などと、取り上げている。歴史的な円高で輸出採算が悪化。2012年3月期に1000億円の最終(当期)赤字となる見通しのため、3月末までに資金調達を終え、財務基盤の強化と目指す。海外生産の拡大や、低燃費技術の開発のための“大量輸血”が必要になってきたというわけだ。

そこでに気になるのは、今回の資金調達でマツダが再び元気になるのかどうかである。毎日は「09年末にも1000億円弱の公募増資を実施。10年末には米フォード・モーターの出資比率引き下げに伴い、三井住友銀行や住友商事などがフォードからマツダ株を引き受けるなど、たびたび増資や関係先の協力を仰いできた。今回の増資で株式価値はまた薄まり、株主の不満は強まりそうだ」と指摘。

また、「他社との提携を進める可能性もある」(朝日)、「業界再編につながる可能性がある」(読売)などと、自力再建も危ぶまれているとの見方も浮上している。いずれにしても、車ばかりではなく、経営面でも人心一新で“燃費性能”をアップさせることが喫緊の課題である。

《福田俊之》

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