【新聞ウォッチ】1月新車販売、アクア 人気で“共喰い”も

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2012年2月7日付

●車生産新興国シフト、3大市場縮小、欧州撤退続く(読売・8面)

●TPP参加米は難敵、ビッグ3が反対、高まる保護主義(読売・9面)

●足立の治安再び最悪、「車上狙い」2割増(読売・31面)

●輸入車好調続く、欧州の小型車が主導、昨年の新車販売、シェア7.7%(朝日・8面)

●オランダの工場、三菱自動車が売却へ、社長「1ユーロでも」(朝日・8面)

●1月新車販売、軽とHVトップ10席巻、補助金復活が後押し(東京・7面)

●トラック生産、日欧中連合、ボルボ・UD、東風と提携、中国で環境対応車(日経・1面)

●タイ洪水で7000億円減益、上場主要企業、生産停止響く、12年3月期(日経・1面)

●スズキ純利益5%減、4〜12月インド工場スト響く(日経・9面)

●スズキとの合弁再編計画を凍結、中国・長安汽車(日経・9面)

ひとくちコメント

1月の車名別新車販売ランキングが発表された。それによると、トヨタ自動車のハイブリッド車(HV)『プリウス』が8か月連続の首位をキープ。2位はホンダの小型車『フィット』、3位はHV並みの燃費性能を誇るダイハツ工業の『ミライース』の拡販効果で軽自動車『ミラ』だったという。

6日付の夕刊で速報したほか、きょうの各紙も分析記事を取り上げているが、1月のランキングを深読みすれば、今年の新車の売れ筋傾向が浮き彫りになってきた。まず、東京などが強調しているように「上位10車種のうち6つを軽自動車が占め、残る4車種もHV主体となった」こと。

さらに、「新車に占めるHVの割合が1月に初めて2割を超えた」(日経)こと。このほか、昨年12月に発売したトヨタの新型HV『アクア』が5位、ホンダの『N BOX』が9位と、新顔がいきなりベストテン入りするという華麗なるデビューを飾ったこと、などが上げられる。

ただ、手放しで喜べない新たな悩みも露呈した。1月の国内販売は前年同月比で36%増と好調に推移したが、新たなエコカー補助金制度が投入された効果が大きいことは言うまでもない。だが、押し上げ効果が80万台分といわれる補助金の打ち切りと先食いの心配も出てきた。

軽自動車を含めた総合ベストテンは、ダイハツとホンダが3車種、トヨタとスズキがそれぞれ2車種と、4社に集中。日産自動車やマツダはランク外だった。しかも、トヨタの場合、アクアのデビューで、競合する『ヴィッツ』が前年同月比で23.4%減、『ラクティス』が46.4%減、『カローラ』も2.9%減と落ち込んだ。

芥川賞の田中慎弥さんの受賞作ではないが、“共喰い”現象も浮上。1月は異変ずくめの新車ランキングだった。

《福田俊之》

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