ホンダは『N BOX』で新たに採用した軽量で生産効率の高い車体組立工法を、国内工場で生産する他の軽自動車や小型車に順次展開する方針だ。将来は海外工場でも導入を検討する。
開発した新工法は、車体骨格のうちサイドパネルとルーフについて、まずインナーフレームのみをアンダーボディに溶接で取り付け、その後アウターパネルを溶接する方式だ。車体組立では通常、サイドパネルやルーフはインナーとアウター側を溶接したうえで、アンダーボディに取り付けている。
新工法により、部品点数の削減やボルトによる骨格同士の接合をスポット溶接に置き換えることなどができ、軽量化やコスト低減につなげた。N BOXでは同時に、強度の異なる鋼板を溶接したうえでプレス加工する工法なども採用し、車体で約1割の軽量化を図っている。
N BOXの開発責任者である本田技術研究所の浅木泰昭主任研究員は、新工法の展開について「軽自動車は確実にこの方式を採用することになる。次いで、鈴鹿製作所の(『フィット』など)スモールカーに導入することになろう」と話した。また、海外工場を含む「世界で導入を検討する」計画も示した。