【新聞ウォッチ】トヨタ、震災の年の仕事納めに「復興の星」デビュー

モータースポーツ/エンタメ 出版物
トヨタ・アクア発表会(12月26日、東京ミッドタウン)
  • トヨタ・アクア発表会(12月26日、東京ミッドタウン)
  • トヨタ・アクア発表会(12月26日、東京ミッドタウン)
  • トヨタ・アクア発表会(12月26日、東京ミッドタウン)
  • トヨタ・アクア発表会(12月26日、東京ミッドタウン)

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年12月27日付

●東電の初動「誤り」原発事故調査、中間報告、冷却の空白招く(読売・1面)

●トヨタHV「アクア」発売、低燃費競争さらに加速(読売・8面)

●サムスンとの液晶パネル合弁解消、ソニー、TV再建見えず(朝日・12面)

●町田市、EV実験中止、委託先業者が破産(朝日・29面)

●辺野古アセスを発送、政府、抗議で手渡し断念(毎日・1面)

●坂上副社長が昇格、UDトラックス(産経・10面)

●若者ほど車で避難、「原則徒歩」周知されず(産経・22面)

●Q&A:欧州車なぜ円高還元しない? ブランド価値維持、原料高騰(東京・7面)

●国内景気に停滞感、「悪化」「横ばい」7割超す(日経・1面)

●車載液晶最大手を買収、京セラ、シャープ・東芝に対抗(日経・1面)

ひとくちコメント

まるで沖縄の美ら海水族館にいるような光景だった。トヨタ自動車が発売した小型の新型ハイブリッド車(HV)『アクア(AQUA)』の報道発表会。車名の「アクア」は、ラテン語で水の意味だが、そのイメージにふさわしく横に長い前方のワイドスクリーンに透明感のあるブルーの水の中からイエローやオレンジ、レッドなど10色のボディカラーのアクアが次々と浮かび上がってくるような映像が流れていた。

その映像をバックに、小木曽聡チーフエンジニアが「次の10年を見据えた未来のスタンダードとなるコンパクトカーを目指した」と、開発への思いを語る。思いはそればかりではない。アクアの生産拠点は、子会社の関東自動車工業の岩手工場。「アクアが震災復興に向けた小さな光になってくれたらいい」と関東自動車の服部哲夫社長も「メイドイン東北」を全面的にアピールした。

きょうの各紙にも「東北生産、復興のシンボル」(産経)をはじめ、「世界最高燃費35.4キロの小型HV」(朝日)、「燃費世界一、プリウスよりも48万円安、ハイブリッドトヨタが攻勢」などと、新車の商品発表記事としては異例のスペースを割いて取り上げている。

アクアの月間の販売目標は1万2000台だが、すでに発売前の受注が6万台を超えているそうだ。年内に予約しても納車は来年4月ごろになるという。新車販売ランキングでは、同社の『プリウス』やホンダの『フィット』を抜いて、いきなりトップに躍り出る可能性もある。大震災の発生で社会・経済にも激震が走った2011年だったが、トヨタは「復興の星」となる大物デビューで、新年につながる仕事納めとなったようだ。

《福田俊之》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集