【新聞ウォッチ】ゴーン社長が予測、2012年は「そこそこの成長の年になる」

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日産ゴーン社長(東京モーターショー11)
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年12月26日付

●日中、半島安定へ協力、野田首相、拉致解決訴え、首脳会談(読売・1面)

●九州電力、全原発停止、稼働1基定検査入り、5%の節電要請(読売・2面)

●消費増税案「年内に」首相(朝日・1面)

●日本企業の投資促進、玄葉外相、ミャンマー側と交渉へ(朝日・2面)

●トヨタ車体、初優勝、男子ハンドボール全日本総合選手権(朝日・19面)

●危ない「左折専用」都内交通死者今年も200人超(東京・24面)

●内閣不支持、5割超える、原発事故収束宣言、「納得できぬ」78%(日経・1面)

●三菱ケミ主要3社、社長交代(日経・1面)

●スズキとVWの提携解消、国際仲裁での焦点は(日経・21面)

ひとくちコメント

日経が天皇誕生日の23日朝刊から各界のリーダー、識者に2011年の総括と新たな年に向けた展望や課題を聞く「2012視点」というインタビュー構成の特集企画を連載している。その初回に登場したのが日産自動車のカルロス・ゴーン社長だった。

インタビューの中で、、ゴーン社長は、東日本大震災やタイの洪水で寸断したサプライチェーン(部品調達網)の改革に言及。さらに、2012年はどんな年になるのかという質問については「欧州が最大のリスク要因であることは間違いないが、他の地域は意外と明るいのではないか」とみており、今年は約7500万台に達して過去最高を塗り替えそうな世界の新車販売だが「12年もやはり200万から300万台増える」と予測。「日本や米国は一定のカーブで回復し、新興国市場も伸びる。一言でいえば『モデレート・グロース(そこそこの成長)の年になると思う」と語っている。

その成長が期待できる新興国市場については「日産は中国では日系メーカーとして首位に立った」としながら「新しい市場は投入車種も工場も販売網も白紙から絵を描くことができ、その巧拙が結果に直結する」と指摘。「中国で成功したからといって、ベトナムでうまくいくとは限らない。世界中の企業にとって『ニューゲーム』が始まったのだと思う」と述べている。

さらに、そのゲームに勝つには「現場力や品質管理などに強味がある日本企業に必要なのは人材や考え方のダイバーシティ(多様性)だ。新市場を現地のパートナーと協力しながら開拓する。相手から学び、こちらも教える。成功体験に固執するのはよくない」とも力説している。

先日取材した中国・広州にある合弁会社の「東風日産」でも、事実上の経営の舵取り役は、有能な中国人の任勇副総経理が務めるなど、現地化を徹底している。とかく、ワンマン経営者にみられがちなゴーン社長だが、「郷に入っては郷に従え」という格言があるように、柔軟性を持ち合わせていることもわかった。

《福田俊之》

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