【新聞ウォッチ】日産、メキシコを中国に次ぐ2大生産拠点に拡大へ

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年12月15日付

●新日鉄・住金の合併認可発表(読売・1面)

●4次補正にじむ政治色、自動車、農業に配慮(読売・9面)

●サッカー・トヨタクラブ杯、サントス鮮烈3発、柏・酒井ヘッド実らず(読売・19面)

●新幹線3区間着工認可へ、北海道・北陸・長崎(朝日・1面)

●トヨタ、部品輸入検討、韓国・現代グループから(朝日・8面)

●ポルトガル工場、日産が建設中止、EV電池生産計画(朝日・8面)

●65歳まで再雇用義務化、希望者全員、法改正目指す、厚労省(毎日・1面)

●宮城に新型HV拠点、「アクア」トヨタ、3社統合(毎日・7面)

●オリンパス上場維持へ、決算訂正、純資産300億円超減(産経・1面)

●帰省のピーク30日、Uターン1月3日、年末年始JR予約(産経・28面)

●社説:トヨタの提携、必要なら柔軟な発想も(東京・5面)

●日産、メキシコ生産倍増、年130万台に、国内を上回る、1500億円投資、中国と2大拠点(日経・1面)

●中国、米車に相殺関税、「ダンピング被害」通商摩擦激しく(日経・6面)

●ホンダなど進出のタイ工業団地、電力供給、きょう再開(日経・9面)

●自動車部品6社、今期営業益、タイ洪水、1割の減益要因(日経・17面)

●苦戦続く給油所、エコカー普及経営を圧迫(日経・29面)

ひとくちコメント

日産自動車がメキシコに年産60万台の新工場を建設する方針を固めたと、きょうの日経が1面トップ記事で報じている。それによると、2013年末から順次、稼働し、最終的には既存工場と合わせたメキシコでの生産台数は130万台に倍増し、日本国内での生産台数を大幅に上回ることになる。投資額は20億ドル(1560億円)規模にのぼるという。

日経に掲載された2010年実績と2016年推計の日産の地域別生産台数の構成比を表した円グラフが興味深い。世界生産は421万台から720万台に拡大する計画だが、その構成比をみると、例えば、日本は2010年では、25.4%が2016年には14%に低下する。一方で中国は25.5%から28%に増え、メキシコも12.8%から18%に拡大する。世界の2大生産拠点は中国とメキシコになることがよくわかる。

日産のメキシコ進出は日系メーカーでは最も早く、1966年に逆戻る。現地では車名を『ツル』(日本名『サニー』)と名付けたり、「ゲイシャ」という販売会社もあるほどで、旧経営陣の古き良き時代の日産のカルチャーが引き継がれている。カルロス・ゴーン社長が乗り込む前の旧経営陣は「負の遺産」を多く残したが、メキシコは旧経営陣が井戸を掘って育てた数少ない貴重な財産といえる。

それにしても、最近は日産の快走が続いている。冴えないのは株価ぐらいで、2つのカーオブザイヤーをはじめ、14日に発表された自動車のカラーデザインを表彰する「オートカラーアウォード2012」のグランブリにも日産の『スカイラインクロスオーバー』のセラミックブルー(外装)/ブラウン(内装)が選ばれた。

さらに、若者を代表して文化学園の学生が選ぶ「文化学園大学セレクション」にも輝いており、ダブル受賞となった。ただ、「好事魔多し」ということわざもあるように、新年以降も緊張感を持って取り組む姿勢が大切だろう。

《福田俊之》

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