富士通テン 2011年夏の新モデル、イクリプス『AVN-F01i』は機能を厳選して使いやすさを重視したAVN Liteをベースに、iPhoneアプリ連携機能やBluetoothに対応したカジュアルAVN。店頭価格は10万円程度とコストパフォーマンスにも優れ、今年の注目モデルのひとつでもある本機の使用感を2本立てでレポートしてみたい。前編は主に目玉機能のiPhoneアプリ連携を紹介する。
◆3つのイクリプスオリジナルiPhoneアプリ
筐体は昨年の秋に登場したAVN Liteの最新モデル『AVN110M』の流れを汲むデザインで、ハードキーもブラックの塗装がほどこされ黒物家電的な雰囲気に仕上がっている。解像度はWQVGAながらデジタルTFTやLEDバックライトを採用し、品質感はなかなか高い。基本的なユーザーインターフェースはAVN Liteと同様で、地図画面を広く取る表示モードからワンタッチでAV画面や目的地検索画面の呼び出しができる。
AVN-F01i最大の注目は、地図の左メニューにiPhoneアプリ連携ボタンが追加された点だ。イクリプスでは、AVN-F01iの発売に合わせて「TwitDrive」「どこCar」「Carニュースリーダー」の3つの対応アプリ(いずれも無料)を用意している。
<iTunesのアプリ紹介ページ>
・TwitDrive
http://itunes.apple.com/jp/app/id434556092?mt=8
・どこCar
http://itunes.apple.com/jp/app/id434558657?mt=8
・Carニュースリーダー
http://itunes.apple.com/jp/app/id434558395?mt=8
◆車内での利用を考慮したUIが秀逸な「TwitDrive」
まずTwitDriveから。本アプリは端的に言えば、ジオタグ(位置情報)付きのツイートを投稿できるTwitterクライアントだが、AVN-F01iと専用コードで接続することでカーナビ本体からのツイートが可能になるというもの。
使い方はしごく簡単で、iPhoneでTwitDriveを起動させておき、ナビのiPhone連携ボタンをタッチするだけ。するとiPhoneで表示されている画面がそのままカーナビに映し出されツイートの入力や地図上のツイート閲覧ができるようになる。
気が利いているのは、UI面でカーナビでの使用条件が考慮されている点。定型文が用意されており、ナビ上からたった2タッチで投稿ができてしまう事だ。それもワンパターンではなく、「交通状況」「交通施設」「天候」「シーン」など5つのカテゴリーから30種類のつぶやき定型文が用意されるほか、「カスタム」で自作のつぶやき文をあらかじめ用意しておくこともできる。またiPhoneで撮影した写真やカメラロールにある画像なども同時に投稿することも可能だ。
さらに、地図画面からは他の人のつぶやきが見え、一覧表示も可能。TwitDriveはアプリ単体でも使えることもでき、つぶやきが発信された場所を目的地に設定してナビで案内させることもできるから、たとえば友人同士でTwitDriveを使ってつぶやいてもらい、そのつぶやきからAVN-F01iで目的地を設定して案内させるという使い方もできる。
◆クルマ駐めた場所をARで探す「どこCar」
TwitDriveに負けず、どこCarもユニークで実用的なアプリだ。TwitDrive/Carニュースリーダーを立ち上げた状態でナビの電源がOFFになると、自動的にどこCarが起動して、自車位置を登録する画面に遷移する。
クルマを駐めた位置に戻るときは、地図・写真・カメラ映像から登録地点までを案内することができる。特に分かりやすいのはやはりカメラ映像で、AR(拡張現実)機能を利用して、自車位置のアイコンと矢印が映像の上に重ねられる。実際に使ってみると広い駐車場だけでなく、コインパーキングがたくさん集まる都心部でも道に迷わずに駐めた場所までたどり着けるからありがたい機能だ。もちろん、このどこCarもAVN-F01iと接続していることがマストではなく単体での利用も可能。
そしてCarニュースリーダー。これはポータルサイト「Yahoo!ニュース」の「トピックス」をナビ画面上に表示し、操作制限のかかる走行中にはテキスト・トゥ・スピーチの機能で音声読み上げをおこなうというものだ。あくまでもトピックスタイトルのみの表示・読み上げになるが、タブメニューからカテゴリを選択して表示することもできる。ニュースの詳細を見たい場合は、iPhoneからブラウザでアクセスすれば良い。