ワインディングを走ってみて大きさを感じさせないことに驚いた。長い間『エクスプローラー』の印象と言えば上から目線とボリューム感のあるフォルムで、よく言えば重厚さが持ち味である反面、その重さによって走りはとってもゆるーい感じだった。
それが新型ではステアリングセンター付近がぎゅーっと締まっているうえに、切り込んでいったときの応答が素直。2tを越える重量だから動きはゆっくりとしているものの、操作に対してスムースに反応してくれることから、探りながら切っていくような印象は薄い。
リアサスの改良でロール方向の動きも穏やかになって、フロントの動きにしっかりとついてきてくれる。結果、シャシ全体から緩さが薄まって、大きさを感じさせない走りを実現したと言えるだろう。エンジンも6ATとの組み合わせで洗練さを増しているものの、シャシの進化を考えるともう一歩力強さがあってほしいところ。新しさの中にも伝統的なトルク感も忘れてほしくないと思った。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
瀬在仁志|モータージャーナリスト
1960年東京生まれ。AJAJ会員。日本COTY委員。高校時代からカート、自動車免許取得後、ラリー、レースに参戦。スーパー耐久自動車レースでは2 クラス、4クラスで優勝経験を持つ。88年にはA型フォードによるオーストラリア・クィーンズランド一周ラリーで3500kmを完走。03年にはニュルブルクリンク24時間レースに参戦、参加クラスで日本車最高位完走。世界20か国以上の公道とサーキットでの試乗経験を持ち、『ホリデーオート』、『モーターマガジン』誌等で活躍。代表会社であるアップライト社主催による走行会はすでに70回を数えドライビング講師としても活躍する。