三菱自動車は3月1日より開催される第81回ジュネーブショーにおいて、“小型”“低価格”“低燃費”を基本コンセプトとした『コンセプトグローバルスモール』を発表した。これは、2012年3月に稼働開始するタイ新工場で生産を予定している小型乗用車のコンセプトモデルである。
その両方のデザインを担当しているデザイン本部デザイン部主任(デザイン担当)吉峰典彦さんは、この基本コンセプトをデザインでいかに表現できるかが課題だったと話す。
まず空力の面では、「風洞実験等を行い、“0”のシルエットを持たせています」という。つまり、「空力に効くのは塊りをしぼり込むこと。ロケットやミサイルなどといったいわゆる砲弾型です。いかにそこに近づけるかということなのです」。
具体的には、「リアクォーターのキャビンへの落とし込みや、上から見たときの絞り込みなどで、それらを翼断面のようにしたうえで、居住性等を考えています」という。もっともこれはコンセプトモデルなので多少誇張しているところはあるという。
また、コンパクトさについては、「ただコンパクトに見せると貧弱に見えてしまいますので、世界中で買ってもらえる、注目してもらえるために面の質感にはこだわって作っています」という。
そして、「三菱はある程度シャープな印象のデザインが多いと思うので、そういうカチッとしたコンパクトな形に、切れ味の入ったスパイスのあるラインを入れることで、三菱らしいアイデンティティを出しています」という。しかし、フロントマスクについては、「これまでジェットファイターなどやってきましたが、もう少しソフィスティケイトさせたものにしています」と語った。