【新聞ウォッチ】世界を駆け巡った福島「レベル7」の衝撃

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年4月13日付

●子ども手当廃止へ調整、政府・民主、10月、復興財源を優先(読売・1面)

●「レベル7」各国速報、放射能一段の警戒「炉心は封じ込め」冷静な見方も(読売・7面)

●地震・津波、車損害大半は補償なし、損保特約加入1%未満(読売・8面)

●使用済み燃料搬出計画、東電検討、損傷調査に着手(朝日・1面)

●工場復旧足踏み、自動車・部品不足稼働妨げ(朝日・9面)

●宿泊キャンセル56万人、全国で観光客軒並み激減(朝日・8面)

●レベル7先月認識、原子力安全委見直し求めず、批判に反論、保安院「データを待った」(毎日・1面)

●北海道・沖縄へ980円、開設3ケ月間、スカイマーク成田発着4路線(毎日・8面)

●レベル7「売れなくなるのか」産業界広がる不安、自動車や電子部品も「安全証明」(産経・2面)

●福島レベル7、収束見通し近く公表、東電、首相指示受け(東京・1面)

●企業向け危機対応融資、部品・電力不足も支援、政府、まず3兆円低利で(日経・1面)

●ルネサス、再開前倒し、茨城・那珂工場、6月に、車・電機部品、供給不安解消へ一歩(日経・13面)

ひとくちコメント

政府が東京電力福島第一原発の事故を国際的な評価尺度で最悪の「レベル7」と引き上げたことで、各方面に波紋が広かっている。きょうの各紙にも「レベル7」についての関連記事が目白押し。

すでに昨日の朝刊で報じた毎日はきょうの1面で「レベル7に引き上げられたことについて『対応が遅すぎる』との批判が出ている」と指摘。3面に掲載の特集では「人類史上に残る深刻な事故に肩を並べた『フクシマ』のニュースは世界を駆け巡った。だが、チェルノブイリと福島第一とでは、原子炉の構造や事故の様相に大きな違いが指摘されている」と伝えている。

各紙が「社説」のテーマにも一斉に取り上げているが、論調には微妙な温度差が感じられる。朝日は「最もあってはならぬことで、世界トップになってしまった」との書き出しで「大切なことは、放出規模が『7』級だということを踏まえて、観測態勢を強め、それに沿って機敏な対策をとることだ」としている。毎日は「福島の事態収束とは別に点検と対策を急ぐべきだ。レベル7をもうひとつ抱えるような事態は、決して引き起こしてはならない」と釘を打つ。

一方で産経は過去の旧ソ連のチェルノブイリ原発事故とは重大度がまったく違うことと強調。福島原発で放出された放射性物質はチェルノブイリの10分の1というのがその背景にあるようだが、「『最悪』評価はおかしい」と菅政権に対して「国際感覚が問われる」と批判的。さらに「日本でもその(放射線物質の飛散)予防に努めるべきときに、不安を肥大させるだけのレベル引き上げは、不用意の一言に尽きよう」と手厳しい。

中には「個人的にはレベル6だと思う」と話す学識経験者もいるそうだが、現時点で国民が最も知りたいことはレベルが高いとか低いとかという、政争にもなりがちなレベルの低い話ではなく、「今後の収束見通し」の公表に尽きる。

《福田俊之》

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