【レクサス CT200h 発表】互い違いの訳は

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CT200h。ボディサイドのキャラクターライン、リアフェンダーのキャラクターライン(エッジ)、トランクリッドのエッジが微妙に不連続
  • CT200h。ボディサイドのキャラクターライン、リアフェンダーのキャラクターライン(エッジ)、トランクリッドのエッジが微妙に不連続
  • CT200h。ボディサイドのキャラクターラインと、リアフェンダーのキャラクターライン(エッジ)が、リアドア後端付近で不連続
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レクサス『CT200h』のデザインをよく見ると、様々なところでキャラクターラインの切り返しが見て取れる。通常は、あるいは、レクサスデザインの特徴として、キャラクターラインは連続でつなげるが……。

デザイン本部レクサスデザイン部グループ長の田名部武志さんは、その具体例としてサイドを例に挙げる。「サイドのウインドウ下のプレスラインは若干ウエッジしているものの基本的には水平基調で強く出しています」。という。そして、よく見ると、「リヤドア後端あたりで切り返しになっているのです」。

これまでは、「フロントからの強いラインがあり、また、リヤフェンダーにも塊り感のあるラインが欲しい時は、それぞれをつないでしまう。結果としてそれぞれ若干妥協しながら歩み寄るのです」という。

しかし今回はそれをやめた。「それぞれ方向性があり、欲しい塊りがあるはずです。そこで(切り返して)その間をつなぐことで新しい表現や深みのある面質が出ないかなと考えたのです」。

同じような考え方は室内でも見られる。「コンパクトでスポーティなクルマだと、メーターフードは、ステアリングホイールの中に収まるコンパクトなデザインでやりたい。同時にスタートスイッチは、ステアリングからなるべく外に出して見える位置に置きたいのです」とまずそれぞれのポイントを語る。

スタートスイッチを無理やりメーターフードの中に押し込めると、その操作性をスポイルしてしまうのだ。それをあえて「機能として良い位置に置きました。そして、メーターフードもコンパクトにし、その(メーターフードの)レザーが敢えてくるっと変化をしながらスタートスイッチを網羅することで、スタートスイッチを包括する部分の変化が魅力的なものとなったのです」。その結果、「レザーの素材感も強調されることにもなりました」。

最後に田名部さんは、「機能と素材と全てそれらを融合した形のスタイリングというのを内外とも目指しています。そして、通常は線が消えた先から別の線が位置を変えてできてくるのではなく、同じ位置で互い違いになることで、その間の変化が魅力的に見えるはずだと考えたのです」とその思いを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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