コンバージョンEV関連の出展が目立ったオートモーティブワールド2011。群馬県太田市のアフター機器メーカー、ワーテックスは、コンバージョンEV向けのエアコンシステムを出展した。開発のきっかけは、コンバージョンEVの“意外な盲点”にあった。
これまでコンバージョンEVは、エンジンと一緒にコンプレッサも取り外してしまうためエアコンがないものがほとんどだったという。後付けするにしても、「自動車に最適なサイズのコンプレッサーを手に入れるのが難し」(同社関係者)く、これまでの多くのコンバージョンEVオーナーは、熱さや寒さに耐えてEVドライブを楽しんでいたようだ。
ワーテックスは、トラック向けのアイドリングストップ装置や、パーキングエアコンなどを開発・販売してきており、このノウハウを活かしたEV向けのエアコン開発に目を付けた。
今回出品されたエアコンシステムは、取り外したエンジン駆動のコンプレッサの代わりに、小型の電動コンプレッサを搭載し冷房を効かせるというもの。冷房能力は改造前の4分の1程度の950Wになるというが、バッテリー容量の増設も可能だ。100V電源から充電可能なエアコン専用バッテリーを搭載するため、走行距離にも影響しないというメリットもある。このエアコンシステムは冷房に特化したもので、暖房についてはセラミックヒーターを利用したものを開発中だという。
同社関係者は、「今回の出展はあくまでコンセプト。どんな反応があるか見てみたかったというのが正直な所。今後はコンバージョンEVメーカーと協力して販売体制を整えて行くことができれば」と抱負を語った。