EVモータに内蔵できるSiCパワーモジュール ロームが開発

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ロームは、安川電機が開発した電気自動車向け高効率モータドライブ「SiC-QMET」に、ロームが開発した「SiCパワーモジュール」が搭載されたと発表した。

ロームの高効率SiCパワーモジュールは、独自構造トレンチMOSFETを採用した。SiC MOSFETはSi MOSFETと比較してオン抵抗を10分の1程度に低減できる。また、ロームの独自構造によりSiC DMOSFETに比べてオン抵抗を3分の1以下に低減することに成功した。

既存のSiデバイスは170度前後が動作限界であるのに対してSiCデバイスは200度を超える高温での動作する。これによって電力密度も大幅に向上する。

今回、超低オン抵抗SiCトレンチMOSFETと高温動作モジュール技術を活用することで、世界最大級の大電力SiCパワーモジュールの開発に成功した。このモジュールは200度以上の動作が可能で、600V耐圧で1kA以上の電流を流すことができる。これはSiデバイスを用いた場合と比較して、容積で3分の1以下、定常損失で半分以下の超小型、超高効率モジュールとなる。

Siモジュールは高温動作が不可能なため、EV用モータの発熱に影響され、モータへの内蔵は困難で、現在のEVモータは、モータとモジュールを別置きしている。SiCモジュールを使うことで、高温動作が可能になり、小型でコンパクトにモータへ内蔵が可能となる。

ロームが開発した高効率SiCパワーモジュールを搭載することでSiC-QMETの特長である高効率化、小型化が実現した。

《レスポンス編集部》

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