フォルクスワーゲンは10日、デトロイトモーターショーでのワールドプレミアに先駆けて、新型『パサート』を発表した。
新型パサートは、「NMS」(ニュー・ミッドサイズ・セダン)として予告されていたモデル。同社の米国テネシー州チャタヌーガ工場で生産され、2011年後半に米国市場へ投入される。
ここで整理しておきたいのは、この新型車と欧州向けパサートは異なるモデルという点。欧州向けのパサートは2010年9月のパリモーターショーで、大幅改良モデルを発表。フォルクスワーゲンはこのパサートを、「新型であり7代目」と表現していたが、実際は6代目のビッグマイナーチェンジ版だった。
今回発表された米国向けパサートは、欧州向けよりもひと回り大きな専用ボディを採用。米国ではステーションワゴンの人気は低いことから、4ドアセダンだけがラインナップされている。
ボディサイズは、全長4869mm、ホイールベース2804mm。欧州向けパサートに対して、全長は100mm、ホイールベースは92mm長い。フォルクスワーゲンによると、歴代パサートで最もボディサイズの大きいモデルになるという。エクステリアのデザインは、米国で人気の高い『ジェッタ』と共通イメージとした。
エンジンはガソリン2、ディーゼル1の合計3ユニット。ガソリンは2.5リットル直列5気筒(最大出力170ps、最大トルク24.5kgm)と、3.6リットルV型6気筒(最大出力280ps、最大トルク35.7kgm)。このV6は6速DSGと組み合わせられ、グレード名には「VR6」が与えられる。
ディーゼルは、米国向けジェッタでお馴染みの2.0リットル直列4気筒ターボの「TDI」。最大出力140ps、最大トルク32.6kgmを引き出すと同時に、全米50州のディーゼル規制に適合するクリーンユニットだ。米国EPA(環境保護局)予想高速燃費は18.3km/リットルと、ハイブリッド車並みの燃費性能を掲げる。
室内は大型ボディを生かして、クラス最大級の後席レッグルームを実現。インパネのデザインは、『トゥアレグ』に似た高級感あふれるデザインを採用した。トリムパネルにはグレードに応じて、クロームメッキやウッドがあしらわれる。
北米向けの新型パサートは、2012年モデルとして2011年後半に発売。フォルクスワーゲンは、「現地ベース価格は約2万ドル(約167万円)」と説明し、コストパフォーマンスの高さをアピールしている。