北米日産は16日、『ヴァーサ』(日本名:『ティーダ』/『ティーダラティオ』)の2011年モデルを発表した。引き続き、米国で販売されるセダンの中で、最安値を維持している。
2011年モデルでは、下級グレードにもパワーウィンドウと集中ドアロックを拡大採用。これに伴い、オプションの「Sパワープラスパッケージ」が「Sプラスパッケージ」に名称を変更し、クルーズコントロールとリモートコントロールキーがセットされた。
2011年モデルの注目は、価格かもしれない。エントリーグレードの「1.6セダン(ベース)」が、パワーウィンドウと集中ドアロックの標準化にもかかわらず、価格を9990ドル(約84万1000円)に据え置いたのだ。
この価格は、米国で販売される4ドアセダン車としては、最も安いプライス。日本の軽自動車並み、いや場合によっては軽自動車よりも安いのである。
ティーダの価格に米国で対抗できるのは、韓国車しかいない。ヒュンダイの小型3ドアハッチバック、『アクセント』が、9985ドル(約83万9700円)のベース価格を掲げる。両車の価格差は、わずか5ドル(約400円)だ。
日産とヒュンダイの、いわば「安売り競争」。米国では2007年のサブプライムローン問題以来、個人に対するローン審査が厳格化されており、ローンが組めない顧客を中心に、1万ドル(約84万円)を下回る低価格車のニーズが存在するのも事実である。