三菱自動車の益子修社長は9日、家電量販大手ビックカメラとの提携に関する会見中におこなわれた質疑応答で、9月に起きた尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件に端を発するレアアース確保の問題について「悲観する必要はない」との考えを示した。
レアアース(希土類)は、EVやハイブリッド車(HV)のモーターに使用されるネオジム磁石の素材として不可欠とされている。事件を機に中国によるレアアースの輸出規制がおこなわれ、EVほか環境対応車の開発や普及などに影響すると見られていた。日米両政府は13日にも首脳会談において具体的な対応策を検討すると報じられている。
これらについて益子社長は、「レアアースを必要としない技術も開発されており、後ろ向きになる必要はない。携帯電話など使われていない資源から(ネオジムを)再生することもできる。環境の変化は技術の進歩を生み出すチャンス」と、前向きな姿勢を示した。