田中貴金属工業はこのほど、2010年1月から6月までの6か月間における投資用金地金、プラチナ地金の販売量と買い取り量の数値(指数)をまとめた。
プラチナ地金において、6か月間の平均価格は4786円/gで、昨2009年1年間の平均価格、3717円/gを大きく上回った。
プラチナ価格は昨年末から上昇しており、2月に一時下がるが、中国など新興国での自動車販売台数の拡大などを背景に再び上昇、4月27日に今年最高の5385円/gをつけた。自動車触媒需要が高いプラチナ地金は、5月に入るとギリシャの経済危機が深刻化したことにより、欧州のディーゼル車需要の動向を懸念して値を下げ、5000円/gの大台を割り、6月の月平均価格は4651円/gまで落ちた。
プラチナは5月から値を下げているが、依然として高値圏にある。ここで販売量が活発ないっぽう買取量が微増にとどまっていることから、一般投資家の間に投資商品の選択肢としてプラチナ投資が浸透してきたことがうかがえる。
プラチナ価格が高値推移する中、今後はディーゼル車需要の多い欧州経済と、急速に発展する中国市場の動向に注目が集まると田中貴金属工業は予想する。
金地金は6か月間の平均価格が3418円/gで、昨年1年間の平均価格の2951円/gを上回り、27年ぶりの高値圏で推移している。