「ルーキーも上位を狙っていける」---。今シーズンからフォーミュラ・ニッポンに参戦しているケイ・コッツォリーノ選手(チーム・ルマン)が、シリーズ初の予選〜決勝1日日程となった第3戦(18日、富士スピードウェイ)の展望を語った。
予選〜決勝1日日程は「ルーキーとしてありがたい」という。なぜなら土曜日の練習走行が2時間に増えたからだ(通常は1時間)。そして日曜日の予選が午前9時から始まるので、「朝に強い方が有利だ」と予想する。コッツォリーノ選手自身はどちらかというと強い方だという。「いつもと違ったレースウィークになる。ルーキーも上位を狙っていけるだろう」。
また予選と決勝を1日で終わらせると決勝前の休息時間が短くなるが、コッツォリーノ選手は体力より精神力、気持ちの切り替えを重視する。「メカニックは大忙しだ。ドライバーはいかに早く決勝レースに向けての気持ちに切り替えるか。私自身は切り替えがうまいと思うが……」。
決勝の距離も短くなる。200kmをノーピットで走り抜けるか、ピットインして軽い燃料タンクとフレッシュタイヤを維持するか。「表現は悪いけれど中途半端な距離で難しいレースだ。理想はノーピットだ。ノーピット作戦の可能性が高いが、コンディションによって変わってくる。土曜日の練習でわかるだろう」
また天気も、決勝の日曜日に梅雨明けするかしないかのタイミングだ。「ドタバタするのも面白い。見る人はドタバタを楽しんでください。そうなると経験豊富なベテランが有利かも。ドライなら若手が突っ走る」。
コッツォリーノ選手は今年からフォーミュラ・ニッポンに参戦した。「2月に雨の鈴鹿で初めて乗ったが、トラクションをかけづらく、コースにとどまることさえ難しかった。スピードの次元がF3とは違う。目がついていかなかったし、フィジカルもつらい」。
「今はタイムを縮めることより基本を学ぶことが大事。初心に返ってステップbyステップで。そしていいレースをしたい。予選順位で前の方、8番手までに入りたい。速い人が周りにいるとレベルの高いバトルを覚えられる。追い込まれたら発見があるかもしれない」
イタリア系のコッツォリーノ選手は7歳のころから父親に車(カート)に乗せられて、そのままレーサーになった。日本で言われる“若者の車離れ”とは無縁の育ちだ。「イタリアでは村ごとにヒルクライムレースが開催され、おじいちゃんが全開でぶっ飛ばしたり……。手の届くところにレースがある」。
レースは車の魅力をアピールする舞台なのだ。「スプリントレースになるとピットで抜けないので、コース上でのバトルが増えおもしろくなる。いずれにせよ第3戦はこれまでのデータが使えないので、正直、どんな展開になるかわからない。どのチームも頭をかかえているのでは?」