ブリヂストンはトラック・バス用の再生タイヤを製造・販売する「バンダグ・リトレッド千葉ファクトリー」を千葉県市原市うるいどに開設した。このファクトリーのメディア向け見学会が9日に開催された。
◆首都圏初のバンダグ・リトレッドシステム導入ファクトリー
リトレッドとは、溝が浅くなったタイヤのトレッドゴムを削り取り、再度新しいトレッドゴムを貼り替えて再利用すること。ブリヂストンは2006年に米国リトレッド業界のリーディングカンパニーであったバンダグ社を買収して以降、リトレッド分野への取り組みを強化しており、バンダグ社のシステムを導入済みの6拠点を含め全10拠点のファクトリーを構築している。この千葉ファクトリーで11拠点目となり、首都圏としては初のバンダグ・リトレッドファクトリーとなる。
ブリヂストンでは省資源、省エネルギー、CO2排出量削減など環境保全に貢献するリトレッドタイヤを活用して、輸送事業者の経費削減、安全マネジメントに貢献する提案型ビジネス「エコ・バリュー・パック(EBP)」を展開している。同社では2010年目標として3万台の契約目標を掲げているが、6月末時点ですでに2万4000台あまりの契約を獲得しているという。
◆ソリューションビジネスの拡大狙う
ブリヂストン執行役員兼ブリヂストンBMS代表取締役社長の梶原浩二氏は会見で「千葉は国内のバンダグ・ファクトリーとしては最大の規模。首都圏のソリューションビジネスを一段とスピードアップしていけるものと考えている。首都圏のエコバリューパック顧客拡大の拠点として、将来的な拡張計画も見据えて、余裕を持った敷地レイアウトを採用した」と語る。
「ソリューションビジネスの拡大にはお客様に近い所でビジネスをさせていただくことが重要」(梶原氏)との認識から、ファクトリーの運営はブリヂストンの関東甲信越地区の販社であるブリヂストン・タイヤセールス・関東の子会社、ブリヂストン・生産財タイヤソリューション・関東がおこなう。つまり、タイヤ販売会社の工場という位置づけになる。
なお同ファクトリーでは、独自開発した新素材の高機能フィルムを窓やトップライト(天窓)に採用して遮熱施工や室内の温度調整を図る気化放熱式涼風装置を設置、環境負荷の軽減を図っている。建築環境・省エネルギー機構からCASBEE認証の「Aランク」を取得しているという。