【BMW 5シリーズ 試乗】操縦“させたがる”クルマ…西川淳

試乗記 輸入車
5シリーズ新型
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『7シリーズ』同様に、カタチは先祖帰りしたなあ、が第一印象だった。7をぎゅっと縮めたようなスタイルだから塊感もあって、ノーズが妙に間延びして見える7よりも安定したカタチである。旧型のように、飛び切りの強い印象は与えないけれども、品よく美しいサルーンにだんだんと見えてきた。

全体的に7シリーズの走りの質感を保ちつつ、もう少しコンパクト&機械仕掛けにした乗り味。すっきりとした操縦性に、毎度のことながら感心する。BMWが上手なのは、操縦“させたがる”クルマを作ること。

昔ながらのBMWファンにオススメは「528i」。ちょっとかったるいけれども、自然吸気のエンジンパワーをしっかり使って走る様子は、いかにもビーエムらしい。エンジンをしっかり味わいたいこのグレードには、別に8段もなくていいような気もするが。

ツインスクロール・シングルターボ/バルブトロニック付直噴という新技術テンコ盛りの新型の直6N55を積む「535i」は、逆にクルマの性能や機能がでしゃばり過ぎてしまうので、ビーエムなのに乗せられている感があって、だったら別にベンツだってええやん、と思ってしまった。ただし8ATとの相性はコチラが上。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

西川淳|自動車ライター/編集者
産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパーカー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近のテーマ。精密機械工学部出身。

《西川淳》

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