またしても新たに車種のラインアップが増えたBMWだが、このご時世、こうしたあまり高価ではない、身近に感じられるクルマが増えるのは大歓迎だ。
これまで、BMWは好きだけど『1シリーズ』では物足りないし、『3シリーズ』や『5シリーズ』、『X3』などは中古車じゃないと手が出せなかったという人にとっても、『X1』はとても現実的な選択肢となるはず。
あるいは、BMWにはこだわらないが、総予算400万~500万円ぐらいで乗り換えを考えているという人にとっても、BMWブランドのご威光はあるし、そこそこ見栄えもすることで、有力な候補になりうるだろう。
「sDrive18i」は駆動方式がFRという点が大きな特徴だが、クルマのコンセプトからして、FRでもいいのではと思う。ただし、動力性能はそれなりだし、なぜかステアリングが妙に重い。
車両重量は150kg重い「xDrive25i」のほうがステアリングは軽く、エンジンの瞬発力もあるので、フィーリングはむしろ軽快に感じられる。
走りに「BMWらしさ」を求めるのであれば、120万円ほど高価であっても、上級の xDrive25iを選ぶべきだろう。買い得感は薄れても、得られるものはそれなりに大きいはずだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年富山県滑川市生まれ。学習院大学卒業後、生来のクルマ好きが高じて自動車メディアの世界へ。自動車情報ビデオマガジンの編集部員、自動車専門誌の記者を経てフリーランスライターに転身。「クルマ好きのプロ」として、ユーザー目線に立った視点と、幅広い守備範囲を自負し、近年はウェブ媒体を中心に活動中。