シュツットガルトで新世代エンジンのワークショップ開催
「バイエルンのエンジン屋」なる自らのブランド名にさらなる磨きを掛けるかのように、今もパワーユニット刷新のペースを緩めようとしないBMW。そんな “元祖エンジン屋”に一気に追いつかんとばかり、次々と新たなパワーユニットをリリースし続ける昨今のVW。
そんな両陣営と見比べると、パワーユニットのリファインに関してはどうも1テンポ遅れていたかにも思えたメルセデス・ベンツから、ここに来てついに反撃の狼煙が見え始めた。
自身が“第三世代の直噴エンジン”と名乗るこのほど発表のV型エンジンがその象徴だ。「今年の秋からまずはCLクラスやSクラスなどに搭載の予定」というそんな新開発エンジンに関するワークショップが、本社の置かれるドイツはシュツットガルトで開催されたので、早速取材へと飛んだ。
◆ダウンサイジングを実現しながら燃費・パワーを向上
現行ユニットに比べると約800ccの排気量ダウンを行う一方、2基のターボチャージャーによって過給を行うといういわゆる“ダウンサイズ・コンセプト”に基づいた新8気筒ユニットが発するのは、435psという最高出力と370Nmという最大トルク。「排気量を15%減らしながら出力を12%、トルクを32%も高めつつ、CLに搭載時の燃料消費は100km走行時に12.3リッターから9.5リッターへと大幅に削減」というのが謳い文句だ。
高精度の噴射を行うピエゾインジェクターを用いたスプレーガイド式の直噴メカや、1行程内で最大4回のスパークを可能とする“マルチスパーク・イグニッションは、このエンジンでの新採用。なるほど、それによる効率のアップは新たに過給を掛けながらも圧縮比が10.5をキープした事からも明らかだ。