【BMW X1 試乗】鍵は低全高パッケージングにあり…千葉匠

試乗記 輸入車
X1 xDrive 25i(18インチホイール)
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兄貴分の『X3』に比べ、ホイールベースは35mm短いだけだが全高は130mmも低い。クロスオーバーSUVとしては異例に低いこの1545mmという全高が、『X1』を特徴づける。

最低地上高195mmを確保しながら、着座位置はセダン+αの高さ。乗用車系プラットフォームを使うクロスオーバーSUVは、一般にフロアをかさ上げして着座位置を高めることで「SUVらしい見下ろし感覚の視界」を得る例が多いが、X1は違う。

足下のフロアを低く抑えつつ、アップライトな着座姿勢にすることで前後方向の寸法を稼ぎ、後席ニールームを拡大。乗用車としてスペース効率を高めたシーティングパッケージを、やや高めとなる最低地上高の上に置いたレイアウトと言ってよいだろう。

そのおかげで、運転感覚はまさに「BMWの乗用車」。X3が「重心が高いのに、それを巧くこなしてキビキビ走るね」と感心させてくれるとしたら、X1はむしろ「3シリーズのセダンに限りなく近い」。

X1の「1」という車格表示を思えば1シリーズと比較すべきなのだろうが、室内の広さ感や内装の質感から見るX1の車格は3シリーズと同等。では、3のセダンではなくこれを選ぶ理由は何か? ヘッドクリアランスの余裕やテールゲートがもたらす多用途性、etc。そして、エンジン・ラインナップが違うので直接比較はできないが、X1のほうが価格はかなり安い。

ひとつ格上のセダンと比較したくなるのがX1の面白さ。その原点にあるのは、従来のSUVらしさにこだわらない低重心・低全高のパッケージングだ。

パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

千葉匠│デザインジャーナリスト
1954年東京生まれ。千葉大学で工業デザインを専攻。商用車メーカーのデザイナー、カーデザイン専門誌の編集部を経て88年からフリーランスのデザインジャーナリスト。COTY選考委員、Auto Color Award 審査委員長、東海大学非常勤講師、AJAJ理事。

《千葉匠》

千葉匠

千葉匠|デザインジャーナリスト デザインの視点でクルマを斬るジャーナリスト。1954年生まれ。千葉大学工業意匠学科卒業。商用車のデザイナー、カーデザイン専門誌の編集次長を経て88年末よりフリー。「千葉匠」はペンネームで、本名は有元正存(ありもと・まさつぐ)。日本自動車ジャーナリスト協会=AJAJ会員。日本ファッション協会主催のオートカラーアウォードでは11年前から審査委員長を務めている。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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