「セダンと同じ全長で、セダン・プラスの機能性をもたせた」の説明は、かつてのアルファロメオ『156スポーツワゴン』と同じではないかと思った。それはともかく、CTSセダンのラグジュアリー&スポーティな持ち味をそのままワゴン化したのがこのモデル。決して欲張ったラゲッジ容量ではないというが、内外同クラスのワゴンが決して多くはないから、貴重な存在ではある。スタイルはスグに見慣れるが、LEDランプいっぱいのリヤビューは華がある。もちろんリヤゲートは、優雅な電動開閉式。フロント側の押し出し感の強さは、さすがキャデラック。試乗できたのは新しい直噴3リットルのV6モデル。273ps/30.8kg-mのスペックで、イザとなればキレ味のいいパワー感を味わわせてくれる。乗り味は上質でステアリングフィールもスムースさをベースに適度なクイック感があっていい。試乗中、FMラジオからThe Doobie Brothersが聞こえてきたが、クルマの雰囲気にまさにピッタリで、いい気分。■5つ星評価パッケージング:★★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★★島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年より『GOLD CARトップ・ニューカー速報』の取材/執筆を皮切りにフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。