クライスラーグループは29日、ダッジ『バイパーSRT10』のワンメークレース仕様、「ACR-X」の生産を、米国デトロイトのコナーアベニュー工場で開始した。
ACR-Xは、2009年12月に発表。公道走行ができないレース専用車で、8.4リットルV型10気筒エンジンは、専用ヘッド&エグゾースト採用などのチューニングを受け、40ps、6.2kgmパワーアップ。歴代バイパー最強の最大出力640ps、最大トルク83.7kgmを発揮する。
サスペンションも専用チューン。エアロダイナミクス性能も引き上げられ、スタビリティや高速コーナリング中のグリップ向上を果たした。ロールケージやバケットシートも装備。軽量化も図られ、標準車と比較して73kgのウェイトダウンに成功している。
バイパーは2010年をもって生産を終了するが、クライスラーは、このACR-Xを使用して、「ダッジバイパーカップ」を開催。米国内で合計10レースを行い、総額20万ドル(約1800万円)の賞金&副賞が用意される。開幕戦は7月9日、バージニアだ。
バイパーSRT10ACR-Xの価格は、11万ドル(約1030万円)。ダッジブランドのラルフ・ジル社長兼CEOは「ACR-Xは、レーシングエンスージアストのために開発したモデル」と述べている。