「『CR-Z』はリアにバッテリーを積んでいるので、重量配分は前後60:40。一般的なFF車は70:30に近いですから、前後バランスが整っていますよね」というのは、ホンダCR-Zの開発責任者である本田技術研究所主任研究員の友部了夫(ともべのりお)さんだ。
CR-Zのハイブリッド用バッテリーの搭載位置は、ラゲッジルーム床下で後輪付近の低い場所。軽くはないバッテリーをそこにレイアウトしたことで車両後方にも荷重が掛かり、フロントばかりが重くなりがちなFF車ながら前後重量配分を理想に近づけたのである。
「その重量配分による、曲がりやすさやコントロールしやすさもCR-Zの自慢のひとつです」と友部さん。
加えてCR-Zでは、バッテリーを低い位置において重心を低くしたこと、ホイールベースが短いこと、そしてドライバーを車体の前後中央付近に座らせることなども、スポーツカーとしてパッケージングに優れた部分。コンパクトスポーツカーとして欠かせないキビキビとした運転感覚を味あわせてくれることだろう。