スポーツカーにとって軽さは命。そしてエコカーにとっても軽さは燃費を左右する重要な要素である。つまりホンダ『CR-Z』にとって“軽さ”は重要なポイントであり、開発においても車体を軽くするための構造や素材が多く投入されている。
その結果、CR-Zはバッテリーやモーターにより重量的に不利なハイブリッドカーにかかわらず車両重量は1100kg台と軽く収まっている。重量を抑えるために、ボディにはハイテン材(高張力鋼板)を積極採用。フロントのロアアームにはアルミ鍛造製とし、インサイトに対して1台あたり4kgもの軽量化を実現しているのだ。
「サスの下側の重量は、軽くすると運動性能に直結しますよね。走りが軽快になるのです」と開発責任者である本田技術研究所主任研究員の友部了夫(ともべのりお)さん。
そんな軽量化において、もっとも驚かされたのはホイールだ。CR-Zに採用しているアルミホイールは、極限まで肉を抜いて軽くした軽量タイプ。なんと、『インサイト』用の16インチホイールに比べて1本あたり約1.25kgも軽くしてあるというのだから尋常ではない。ホイールひとつとっても、CR-Zの走りへのこだわりがヒシヒシと伝わってくる。