100V充電がカギ…日産と全旅連のEV普及・宿泊客増コラボ

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日産自動車と全国旅館生活衛生同業組合連合会(以下、全旅連)による連携事業発表(1日)では、電気自動車(EV)を利用した宿泊旅行の充電イメージについて説明があった。

全旅連に加入する約1万8000軒の旅館・ホテルなどにEVの充電インフラが整備される。インフラ整備といっても、宿泊施設の外壁などに既に備えられている100Vや200Vのコンセントを利用する低コストな設備で、“充電コーナー”を設けるというものだ。

「500V急速充電システムなどもあるが、基本は家庭用100Vの電源を使用する。宿泊施設の周囲には、自動販売機用やネオン用などの100Vのコンセントが設けられている。この既存の電力インフラを有効活用していきたい」と全旅連会長の佐藤信幸氏。

「日産とは、EVによる1kmあたりの移動コストは1.2円ぐらいだろうと話している。宿泊施設でフル充電して、充電料金は150円から200円ほどかかると思われる。これを旅館側に負担してもらいたいと考えている。基本的に旅行客には売電できないだろう」(佐藤氏)

「100Vで充電することになると、例えば16時のチェックインから翌朝8時までで16時間で満充電となる」と話す全旅連側の狙いは、日帰り旅行客の増加により減少している宿泊客の獲得だ。全旅連にとっては、急速充電システムで数十分の充電を済ませて宿泊せずに帰られてしまったら困るというわけだ。

日産の志賀俊之COOは、「航続距離が気になるドライバーもいると思うが、こうしたEV充電ネットワークが広がることはEV普及につながる。今後はEVに常時接続されたインターネット情報をナビ上で表示させ、ユーザーが現地で普通充電の設備がある宿泊施設を検索するという利用もイメージできる」と話す。

ただ、100Vコンセントから充電するスペースを設けるだけでは問題がある。「宿泊者以外の人などが無断で使用するということも考えられる」と志賀氏。管理設備などの増設も必要となるだろう。

将来は、一定距離おきにガソリンスタンドがあるのと同じように、「今後は50kmおきに充電設備が整った宿泊施設網ができるだろう」と佐藤氏。こうしたコラボレーションによって、着地型観光の需要も高まり、EV普及のスピードがさらに加速していくかもしれない。

《レスポンス編集部》

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