気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2010年1月28日付
●経団連会長 米倉氏に決定(読売・1面)
●福地NHK会長、辞任意向伝える(読売・2面)
●トヨタ690万台修理へ、相次ぐトラブル影響拡大、品質神話に傷(読売・3面)
●全日空、国際線を積極拡大(朝日・8面)
●スパイカー「近い将来黒字化」CEO、サーブ買収で(東京・8面)
●製造業、外需で急回復、10 - 12月、ソニー、営業黒字に、ホンダは倍増(日経・1面)
●内閣支持45%、不支持47%、鳩山政権で初の逆転(日経・1面)
●GM会長、CEO兼務の継続決定、人事混乱避け成長模索(日経・9面)
●トヨタ、販売計画見直しも、米でリコール8車種、生産も停止、安全への課題、洗い直し(日経・11面)
●賃金改善要求今春は見送り、三菱自労組執行部案(日経・15面)
●新製品解剖:日産自動車・フーガ 環境など最新技術結集(日経・33面)
ひとくちコメント
27日の東京株式市場でのトヨタ自動車の株価は終値で165円安の3705円と大幅続落。
この日、トヨタは踏み込んだアクセルペダルが元の位置に戻りにくくなるなどの不具合発生の可能性があるとして、230万台をリコール(無償の回収・修理)した乗用車など計8車種について、米国とカナダで販売を一時的に停止すると発表。
販売停止に伴い、2月1日から米国とカナダの計5工場の生産を少なくとも1週間停止することも明らかにした。
27日付の夕刊では朝日、毎日、東京が1面トップで報道し、きょうも各紙が解説記事を大きく取り上げている。
このうち、読売は「品質神話に傷」として、昨年11月に発表した自主改修分を含めると対象車種は約690万台に達し、トヨタ車の「品質神話」は大きく揺らぎ、業績とブランド・イメージへの悪影響が懸念されている、と報じた。朝日も「トヨタ、逆風の連続」との大見出しで、書き出しは「世界一となったトヨタ自動車が、あえいでいる」としながら「拡大路線の負の側面に直面。苦悩は深い」と結んでいる。
毎日は、「長期化すれば、ようやく持ち直してきた米国での販売やトヨタ全体の業績が打撃を受けるのは必至だ」と指摘。産経は「相次ぐトラブルの背景には『危機意識の欠如』も見え隠れしている」と取り上げた。東京は「早期黒字化に水を差しかねない状況だ」とし、日経も長期化すれば、26日に発表したばかりの「2010年の世界販売計画の見直しも避けられない」と伝えている。
新年早々、豊田章男社長は記者団に「暴風は抜けた」と語ったそうだが、台風一過の日本晴れどころか、“トヨタ離れ”が加速すれば「二番底」を招く恐れもある。