派手なドレスアップ、登場が待たれるコンセプトに視線を奪われがちな東京オートサロンだが、会場内のすべてのマシンに、出展しているだけの理由がある。
クスコのブースにあった『ジムニー』はパワーユニットをモーターに換えたEVコンセプト。ボディやサスペンション、パートタイム式4WDシステムはそのままに、EV化を果たしたコンバージョンモデルだ。
効率の高い交流モーターを搭載し、エンジンに比べ低速トルクに優れるモーターの特性から悪路走破性も向上しているという。バッテリーもリチウムポリマーを採用し、最高速度は130km/h、航続距離も120kmを可能にしている。しかもブレーキのブースターを作動させる負圧を発生させるための電動ポンプや、電気ヒーターを装備して4名乗車の公認まで取得しているのだ。
十分な実用性を備えて、公道走行を可能にしたEVコンバージョン。これは見方を変えれば、エンジンをEVとして入れ替えるとなると、クスコのような駆動系、ボディ補強系のチューナーがトータルチューナーへと進化することも意味している。
三菱 i-MiEVによって本格的“EV元年”となった2009年。今年はこのジムニーEVコンセプトのような、EVコンバージョンが本格化する動きを見せ始める年になるかもしれない。