気になるニュース・気になる内幕…今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップ、内幕を分析するマスメディアクルージング。
2009年12月10日付
●VW、スズキへ19.9%出資、提携合意、小型車共同開発(読売・1面)
●パナソニック、三洋TOB終了 成立確実、月内に子会社化(読売・8面)
●GDP下方修正、脱デフレ重い足取り、根強い「二番底」懸念(読売・9面)
●小型車の減税、中国1年延長、来年末まで(朝日・11面)
●設置じわり、急速充電器(毎日・18面)
●記者ノート:11月4日トヨタF1撤退会見、男泣き伝えきれぬ情熱(産経・16面)
●国内最速新幹線東京駅で公開、東京 - 新青森3時間(日経・43面)
ひとくちコメント
スズキと独フォルクスワーゲン(VW)が両社で株式を持ち合い、環境対応車の共同開発や部品の共通化を進める包括的な資本・業務提携を結ぶことで合意した。
きょうの各紙は昨夕、都内で開かれた緊急記者会見の様子を詳しく報じている。中でも読売は、9日付の夕刊に続き、きょうの朝刊でも1面トップ記事扱いのほか、総合面と経済面でも解説記事を取り上げている。
各紙の見出しをみると、「新興国勝ち組連合」(読売)、「新興国市場の勝者連合」(朝日)、「新興国でシェア圧倒」(毎日)など、新興国市場で他社をリードする「強者同士が手を組む」(東京)ことにスポットを当てている。
産経は「スズキ交渉したたか」として、「連結対象企業になる20%ギリギリにとどめるなど、鈴木修会長兼社長のしたたかさが垣間見える」と強調。日経も「GMとの生産合弁解消からわずか5日でVWの提携合意にこぎ着けた」ことで、「持ち前のしたたかさを印象づけた」と指摘。スズキVWの提携は、両社の世界販売台数を合わせると世界首位のトヨタ自動車を上回る世界最大級の自動車グループが誕生することになる。
あの「事業仕分け」で、蓮舫議員がスパコンについて「なぜ、世界1位になる必要があるのか」と発言し、著名な科学者らから反感をかったが、GMといい、今回のVWといい、偉大なる「中小企業のおやじ」が選ぶパートナーは、結果的に「ナンバーワン」にこだわるというのも興味深い。