VW、ロシア生産本格化…ティグアン を現地生産

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フォルクスワーゲンは20日、ロシア・カルーガ工場でプーチン首相を招いて記念式典を行い、ロシアでの本格生産を開始した。最初にラインオフしたのは、フォルクスワーゲン『ティグアン』とシュコダ『オクタビア』だ。

フォルクスワーゲンと傘下のシュコダは2006年5月、ロシアおよびカルーガ州政府と、工場の建設に関する調印を行った。新工場はモスクワの南西約160kmのカルーガに2007年11月に完成。一部ノックダウン方式による生産をスタートし、これまでに累計10万台以上がロシア国内へ出荷された。

今回の本格生産開始は、工場内の設備が増強されたのを受けたもの。車体プレス工場、塗装工場、車両組み立て工場が完成し、現地での一貫生産体制が整った。今回、最初にラインオフしたのは、フォルクスワーゲン『ティグアン』とシュコダ『オクタビア』。プーチン首相をはじめ、ロシア政財界関係者やマスコミなど約600人が招待され、第1号車の出荷を祝った。

フォルクスワーゲンは、すでにカルーガ工場へ約5億7000万ユーロ(約780億円)を投資。さらに2億0400万ユーロ(約280億円)を追加投資し、これに合わせてカルーガ工場の雇用者数を現在の約1800人から、2010年末までに4800人へ増員する方針だ。

フォルクスワーゲンのロシア販売は堅調に推移。今年1‐9月、現地では50%以上も新車市場が縮小したが、フォルクスワーゲンは微減にとどめた。2年前と比較すると市場シェアは3.2%から6.6%へ倍増している。

フォルクスワーゲンのヴィンターコルン会長は、「本日、フォルクスワーゲンはロシア自動車メーカーの仲間入りを果たした。2018年までの成長計画において、ロシア市場が非常に重要な役割を果たす」とコメントしている。

ロシアは自国の自動車産業を保護するため、完成車の輸入に高い関税を課している。そのため、欧州や日本の主要メーカーが、現地生産を推進してきた。フォルクスワーゲンのカルーガ工場の年産台数は15万台と控えめだが、今後生産車種を3モデル追加する計画。ロシア市場での攻勢を強める構えだ。

《森脇稔》

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