KTMは21日、『X-BOW』(クロスボウ)のレーシング仕様『GT4』が、開発テストを兼ねて参戦した「2009英国GT選手権最終戦」において、優れた成績を収めたことを明らかにした。第1レース予選ではフェラーリ『430スクーデリア』の0.45秒遅れというベストタイムをマークしている。
KTMはオーストリアの2輪メーカー。同社初の4輪車が、2008年3月のジュネーブモーターショーで発表されたX‐BOWだ。ボディサイズは全長3738×全幅1900×全高1205mm。ゴーカートを大型化したようなデザインが特徴だが、欧州の安全基準を満たしている。
X-BOWは2シーターのオープンスポーツカーで、車重わずか790kgの軽量ボディにアウディ製2.0リットル直4ターボ「TFSI」(240ps)を搭載。超刺激的な走りが楽しめる。シャシーの開発と生産は、イタリアのコーチビルダー、ダラーラ社に委託。日本にも上陸しており、価格は840 - 1380万円だ。
KTMは、このX-BOWをベースにしたレースバージョン、『X-BOW GT4』を開発。レース参戦にあたり、KTMはFIAのGT4レギュレーションの範囲内で、エンジンや足回り、エアロダイナミクスにチューニングを施している。
このX-BOW GT4が19 - 20日にブランズハッチで行われた2009 FIA GT選手権最終戦に参戦。ドライバーにはReinhard Kofler選手を起用し、格上のGT3クラスのフェラーリF430スクーデリア相手に、第1レース予選ではわずか0.45秒遅れ、第2レース予選でも0.70秒遅れという好タイムを記録した。
また、GT4クラスの覇者、ジネッタ『G50』に対しては約3秒、GT3クラスのモーガン『エアロエイトGT3』に対しては約1秒の差をつけた。X-BOW GT4は、レース本番ではピットでの30秒ペナルティなどにより、予選のような結果とはいかなかったが、その高いポテンシャルをアピールした。
KTMは2010年シーズンの英国GT選手権とGT4欧州選手権に、このX-BOW GT4でフル参戦する計画。英国KTMのマネージャー、ジェフ・ロウ氏は「両選手権で充分にトップを争える実力が確認できた」と、確かな手応えをつかんだ様子だ。