たしかに名前は『スカイライン』だが、海外ではプレミアムブランドのインフィニティで売っているだけあって、クオリティの高さは輸入プレミアムSUVに負けていない。なかでもインテリアは、有機的なカーブを描くインパネやシートに、ブラウンのレザーと本物のウッドをコンビさせて、ラグジュアリー&セクシー。ライバル車には目もくれず、ファッションやインテリアの世界を研究したというデザイナーの言葉に納得だ。乗り心地もおだやかで、このインテリアに見合ったもの。なのにコーナーでのロールは少なく、軽快に向きを変えていく。しかもドライバーとリアタイヤの関係が近い。アクセルを踏むと後輪が路面を蹴っていくのが、手に取るようにわかる。だから安定して速い4WDの実力は認めつつ、操る実感が楽しめてステアリングも素直なFRを選びたくなる。セダンやクーペと同じ3.7リットルV6エンジンと7速ATがもたらす加速は、音も含めて豪快系。このへんは日産的だけど、インテリアの仕立てはいい意味で日産らしくない。このギャップをどう考えるかが評価の分かれ目か。■5つ星評価パッケージング:★★★インテリア/居住性:★★★★★パワーソース:★★★フットワーク:★★★★★オススメ度:★★★★森口将之|モータージャーナリスト試乗会以外でヨーロッパに足を運ぶことも多く、自動車以外を含めた欧州の交通事情にも精通している。雑誌、インターネット、ラジオなどさまざまなメディアで活動中。著書に『パリ流 環境社会への挑戦』、『クルマ社会のリ・デザイン』(共著)など。