BMWは22日、『5シリーズGT』(グランツーリスモ)を発表した。3月のジュネーブモーターショーで披露した『5シリーズグランツーリスモコンセプト』の市販仕様である。
5シリーズGTは、セダンやSUV、ステーションワゴンの機能を1台にまとめた、まったく新しいジャンルを提案したモデル。シャシーは次期『5シリーズ』と共用し、全高はセダンとSUVのほぼ中間で、クーペのようなルーフラインを持ち、テールゲートは『X6』のように傾斜。乗り手のアクティブなライフスタイルを表現する5ドアモデルとして開発された。
ハイライトは、航空機のファーストクラス並みを標榜する快適性だ。ボディサイズは全長4998mmで『7シリーズ』の5070mmに迫る大きさ。ホイールベースは3070mmと7シリーズと同じ長さが取られた。この結果、5シリーズGTは後席足元にたっぷりとした空間を確保。また、全幅は1901mm、全高は1559mmあり、前後席ともに頭上と横方向に十分な余裕を持たせている。
荷室には新アイデアとして、2段階で開閉できるハッチゲートを採用。大きな荷物を積む時は、ハッチゲートをフルオープンにし、ちょっとした荷物を載せたい場合は、小型ゲートを開けて対応する。荷室容量は570-1650リットル(VDA測定法)を確保した。
市販バージョンはコンセプトカーと比べると、ドアミラーやアルミホイール、マフラーなどを、現実的デザインに変更。また、エンジンはガソリン2、ディーゼル1の直噴3機種とアナウンスされた。すべてユーロ5の排出ガス基準を満たしている。
ガソリンは「535i」が3.0リットル直6ツインターボ(306ps、40.8kgm)、「550i」が4.4リットルV8ツインターボ(407ps、61.2kgm)。ディーゼルは「530d」が3.0リットル直6ツインターボ(245ps、55.1kgm)。0-100km/h加速はそれぞれ、6.3秒、5.5秒、6.9秒だ。530dは欧州複合モード燃費15.4km/リットル、CO2排出量173g/kmを実現。トランスミッションは、「760i」に先行導入された8速ATが全グレードに用意された。
5シリーズGTは、9月のフランクフルトモーターショーで正式発表。欧州では10月後半から販売がスタートする。ドイツでの価格は530dが5万5200ユーロ(約726万円)、535iが5万5700ユーロ(約733万円)、550iが7万3500ユーロ(約967万円)となっている。