WILLCOM D4向けカーナビアプリ「MapFan Navii」を試す

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インクリメントP(iPC)がモバイルインターネットデバイス(MID)『WILLCOM D4』向けに11月より提供を開始したカーナビゲーションソフトが『MapFan Navii(マップファン・ナヴィ) for WILLCOM D4』(以下Navii)だ。

インクリメントP(iPC)は“パイオニア子会社の地図メーカー”だが、カーナビメーカーに提供する地図だけでなく、自社でも「MapFan」ブランドによるインターネット地図サービスを提供している。さらに、PNDへのナビゲーションエンジン提供、ケータイ地図「iMapFan」や助手席ナビアプリ「MapFanナビークル」といったモバイル分野にも積極的に取り組んでいる。


◆NaviiはD4専用アプリ

まずはWILLCOM D4およびNaviiのアウトラインを簡単に紹介しておこう。D4は08年6月に発表、インテルAtomプロセッサを搭載しWindows Vista Home Premiumを採用したモバイルインターネットデバイス。1024x600ピクセルの5型ワイド、ストレージは40GBのHDDを搭載する。

D4向けNaviiは4GBのMicroSDHCカードで提供され、D4本体内にインストールする。地図や基本の検索データはすべてHDD内に収録し、データサイズは3.5GB程度だ。なおこのNavii、現在のところD4専用のアプリケーションという位置づけで、同機以外のPCにはインストールできない。収録データは住所検索約3500万件、電話番号検索約760万件と4GBメモリを持つPND相当だ。D4の特性を活かし、通信によるPOI検索(後述)も用意されている。


◆車載ホルダで固定、ケーブルの取り回しには要工夫

取り付けはサンワサプライが販売するWILLCOM D4用車載ホルダを使用した。これはエアコンの送風口に取り付けるタイプで、ホルダとD4との固定は申し分ないが、エアコン送風口に引っかけるアームが細めで少々安定感に欠ける。ダッシュボードに固定できるスタンドタイプの車載ホルダも欲しいところだ。

また、D4は本体下にGPSセンサを取り付けるUSB端子、本体上には電源アダプタ端子があるが、GPSはダッシュボードに置き、電源はセンターコンソール下に回すためにケーブルが交錯してしまい、取り付けの見た目はあまりスマートではない。また、08年12月時点では12Vシガーソケットから直接電源を取れるアダプタは販売されていないため、12V/100Vインバーターも必要になる。配線の取り回しは悩みどころだ。


◆車載ナビを超える描画クオリティ

取り付けでは少々苦労したが、いざNaviiを立ち上げると高精細な描画に目を見張る。1024x600の画素数をもつカーナビは日本では存在しない。圧倒的な解像度だ。しかも、AtomプロセッサZ520のパワーの恩恵で、描画やタッチのレスポンスも上々。地図のスクロールや拡大/縮小はなめらかで、使い心地はなかなか。HDDへのアクセスも高速だ。

メニューは左下の「MapFan」ボタンに集約されている。このMapFanボタンは言ってみればWindowsの「スタート」(「窓」のボタン)に相当しており、目的地検索から各種設定まで、このメニューから入る仕組みだ。名称検索や電話番号検索はタッチパネルからだけでなく、キーボードも利用可能。タッチパネルの文字入力方法はいわゆるケータイ型で、指での操作性を考慮して、画面に表示するボタン数を制限しているところも工夫の跡が伺える。


◆ブラウザライクなUIが欲しい

少々煩雑なのは、名称検索で名称入力後、いちいち都道府県名を指定せねばならないところ。また、住所入力は番地や号を1から選ばせる仕様で、直接入力が選べないのももどかしい。車載のカーナビもそのように検索させるものもあるが、インターネット端末向けのアプリなのだから、メニューにサイバーナビの「マルチ検索」よろしく“検索ボタン一押しで結果一覧表示”といったネットブラウザライクなUIを実現して欲しかった。


◆通信利用のMapFan ch

Naviiには通信端末ならではの検索メニューも用意されている。それは「MapFan ch」(マップファンチャンネル)と「空車情報・ガソリン価格」だ。月額388円の通信利用契約を結ぶ必要があるが、PC向けオンライン地図サービスの「MapFan Web」で提供しているサービスからスポットを検索できるというもの(通信利用契約を結ばなくてもカーナビとしての利用は可能)。「テレビdeみ〜た」「観光楽地図」「クチコミ特集」といったチャンネルメニューの新着スポットを検索できるほか、キーワード検索にも対応している。

PHSを利用しているということで、検索時の通信時間は少々気になるところ。計測してみると、電波状態の良好な場所ならおおむね10秒から20秒といった具合だ。チャンネルの検索結果は一度表示させてしまえば、各スポットの地図表示や営業時間やコメントなどの詳細情報も通信を介さず表示させるので待たされることはない。ただ、MapFan chのメニューから各チャンネルを選ぶと必ず通信が始まってしまう。キャッシュの活用など、オフライン利用の工夫が欲しいところだ。

便利なのが「空車情報・ガソリン価格」。パーク24や、三井のリパークなど、周辺駐車場の満空情報を表示できたり、「e燃費」が提供するガソリンスタンドのガソリン価格表示が可能だ。周辺検索とは別メニューでこのコンテンツが用意されている。ただ、ここでも通信時の待ち時間は少々かかる。数分おきにバックグラウンドで通信をして、随時近辺のガソリンスタンドや駐車場を検索できるなど、安価に定額で通信できるウィルコムの特徴を引き出したサービスに進化してほしい。


◆ルートガイドは文句なし、位置精度はPND並み

カーナビ作りのノウハウが十分にあるiPCゆえ、ルートガイダンスや画面表示は文句なし。サイバーナビを思わせる音声ガイダンスを聞いているだけでも安心感があるが、細かな部分もよく煮詰められている。

例を挙げれば、2つ先までの曲がるポイントを表示し、直近の右左折ポイントは近づくにつれて矢印の背景が緑→黄→赤へと変わるので、画面を直視しなくても曲がるタイミングがわかる。地図を大きく見られるように下のメニューを隠せたり、地点アイコンの表示/非表示をワンタッチで切り替えられたりといったあたりの心遣いもドライバーの立場に立ったつくりだ。

位置精度は十分なレベル。GPS位置情報のみの測位なので、それは多くのPNDでも同じだ。高架下やビルの谷間は苦手だが、郊外(首都高で言えば環状線の外くらい)に出れば大はずれすると言うことはない。GPSの再補足やリルートの早さも不満はない。

iPCらしい遊び心も健在。ケータイナビのMapFanナビークルは自車位置表示をビークル犬に変えられるが、Naviiでは“お魚くわえたドラネコ”に変えることができる。


◆通信端末ならではのバージョンアップにも期待

ナビアプリを起動させている間は使い勝手に不満は感じないが、「ここです!メール」や「電話をかける」といったD4ネイティブのソフトを起動させると、いきなりWindowsのUIになってしまう。とくにメールのフォント(これがD4ユーザーにとってはこのサイズがデフォルトなのだが)はNaviiの文字サイズと比べると非常に小さく、違和感を感じてしまう。またスタンバイからの再起動に要する時間も少々長めだ。もっとも、これらは端末側の制限であって、Navii側の問題ではない。このあたりは使う側の割り切りが必要だ。

結論を言えば、このMapFan Naviiは、スタンドアローンで利用する限りWILLCOM D4向けのカーナビアプリとして、その完成度はきわめて高い。

ただ、通信とそれに関わるユーザーインタフェースの面で改善が必要と思われる部分もあった。ここをクリアできればカーナビとしてD4+Naviiを購入するという選択肢も魅力的になる。

パイオニア『サイバーナビ』やパナソニック『ストラーダFクラス』などの30万前後の高級機と比較しても、住所検索約3500万件、電話番号検索約760万件、1024x600画素の地図、地図描画のスピードやタッチレスポンスはすばらしい。たとえばオプションで車速パルスや3Dジャイロセンサーによる位置精度が用意されていたら、高級機はたじたじであろう。

汎用ハードに高機能ソフト、そして定額通信の組み合わせは数年先のカーナビを見ているようだ。未来を先取りする気質に満ちたD4ユーザーならば、Naviiは非常に気になるサービス&ソフトに仕上がっているのではないか。


◆購入情報など

Naviiのソフト単体の価格はオープンだが、ウィルコムの公式オンラインショップ「ウィルコムストア」では、ではNaviiソフトウェア本体のみで1万3800円、またIO DATA製のGPSレシーバ(UMGPS)とUSBフレキシブル変換コネクタ(USB2-C2)とのセット「MapFan Navii for WILLCOM D4 カーナビ・パック(ソフト+GPS)」が2万4800円で販売されている。通信周りの機能は前述の通り有料オプション(月額388円)だが、09年1月末までは無料で利用可能だ。
《北島友和》

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