今年も駆け足で投票に参加した。イヤーカーとなったトヨタ『iQ』だが私は10点を与えた。まあ順当なところだろう。クルマ作りの基本コンセプトそしてそれを実現させた技術は素晴らしい。特にあんなに薄い燃料タンクなど脱帽ものである。
ただし条件付きの好きな私としてはiQの10点にも条件が付く。このクルマの価値はインフラ、このサイズのクルマを取り巻くソフトウエア(税金あるいは駐車場、高速料金)の改善なくしては希薄になるのが気になる。
例えば強引だがこのiQを軽自動車枠に入れることができるならば言うことがない。だめならばもっと強引に「iQ-E」(電気自動車)を早く作ってEVに対する新しい立法と施行を促すのはどうか? こうしたことが実現して初めてiQの本当の存在価値がでるはずだ。
木村好宏│モータリングライター
トーマス・マンとドイツの自動車に憧れ1968年に渡独、日本には絶対にない論理的なドイツの社会構造と文化に接し開眼、この地に留まる。まずは国営航空会社に勤務、並行して自動誌『アウト・モーター・ウント・シュポルト』に寄稿、後に日本の媒体へも進出。モータリングライターとして独立し、ドイツおよび日本に事務所を構え日独の自動車技術、文化などを両国へ配信する。