選考結果がこうなったことに、個人的には少々複雑な心境でいる。
我々は、自動車メーカーの広報や開発陣の方々に接する機会が多いので、それぞれのクルマにこめられた思いやコンセプトもある程度わかるし、受賞した理由も理解できる。その点では、番狂わせもなく、いたって“順当”だろう。
しかし、この結果を一般の人々はどう受け取るだろうか? 選考理由をよく読めば納得してもらえるかもしれないが、第一印象では、釈然としない点も多々あるのではと思っている。
また、獲得点数について、『iQ』と2位以降では大きな差が開いたものの、これは、各選考委員の持ち点が25点で、1台に10点を入れ、残り15点を任意に4台に分配するというレギュレーションによるものであって、実情はもっと接戦だったのではと思っている。いずれにしても、iQが大賞に輝いたことに疑いはないけれど。
まだ売られていないクルマが大賞ということには違和感を覚えるが、何年かあとに振り返ったときのことを思うと、2008-2009年のイヤーカーにもっとも相応しいのは、やはりiQのような気もする。そのためには、これからiQが発売されて、より多くの人々に、ちゃんと支持されていくことが不可欠だろう。