ミドルクラスも12セグ/ワンセグチューナー内蔵へ
AV機能の充実ぶりもまた、このクラスを超える充実したものだ。地デジに対してはB-CAS用スロットこそ外付けとなるが、12セグとワンセグに内蔵チューナーで対応する。
新聞TV欄スタイルの電子番組表から番組名をタッチするだけで見たい番組が見られるなど、使い勝手の良さはここでも活かされている。ワイドVGAモニターのコントラスト比も高く、とくに地デジやDVDなどの映像ソースで再現される豊かな階調表現には思わず目を見張るほど。
また、DVDは家庭で録画したデジタル放送の番組が再生できる「VRモード」にも対応したのも時代をいち早く反映した。再生可能な音楽ソースは、大容量の楽曲収録を可能にしたHDD MUSICをはじめ、iPodにも接続ケーブルの付属で標準で対応。その多才ぶりはAVセンターとしての役割を十分に果たしていると言っていい。
◆こだわり抜いたサウンド技術が活かされた
音質へのこだわりも見逃せない。注目はFクラスにも採用された独自の再生モード「Tuned by MIXER'S LAB」。再生音のチューニングを「ミキサーズ・ラボ」と呼ばれるサウンドエンジニア集団に依頼したもので、「音の匠モード」ならあらゆるジャンルでマスターテープのポテンシャルを引き出す独自のイコライジングを採用している。
試しに走行しながらその音を試聴してみると、どのソースを聞いても音にしっかりとした輪郭が感じられ、再生音がロードノイズに埋もれてしまうことがない。走行中は低域がどうしても聞きにくくなるものだが、その辺りのフォローも十分感じ取れる。
スピーカーシステムに応じた音場効果を生む「SRS」も効果は絶大。ONにするだけで低域が盛り上がり、これが「今まで聞いていたスピーカー?」と思うほど迫力が増す。
また、「SRS CS Auto」を活かせばDVDに収録された5.1ch音源だけでなく、ステレオやモノラルであっても臨場感たっぷりに再生できる。まさに、こだわり抜いたサウンド技術がHW830D/800Dシリーズには活かされていると言っていいだろう。
◆カーナビの高機能をリーズナブルに堪能したい人にお勧め
携帯電話などのBluetoothへの対応も見逃せない。上位モデルのHW830DはBluetoothユニットを内蔵しており、最初に携帯電話とペアリングを済ませれば、あとは登録された携帯電話と自動接続するので、カバンやポケットに携帯電話をしまったままでも楽曲再生やハンズフリー通話が可能になるのだ。しかも発売されたばかりの新譜CDのタイトル情報がインターネット経由で取得できるなど、そのメリットは使ってみればすぐに実感できる。
そして、Fクラスでも実現していたネットワークカメラ(別売)とのリンクにも対応。家の中の状況を静止画で確認できるわけで、出掛けた先での不安を取り除くのに大きな役割を果たすことは間違いない。使い勝手の良いカーナビ機能と地デジを含む充実したAV再生機能、加えてネットワークへの積極的なアプローチなど、これらはまさにパナソニックの家電総合力があってのこと。
カーナビの高機能をリーズナブルに堪能したい人にお勧めしたい一台である。