三宅島で開催した「チャレンジ三宅島 '08モーターサイクルフェスティバル」を巡って、石原東京都知事のホンダ(福井威夫社長)への不信が消えない。
発端はフェスティバル初日の10月17日のことだった。「世界で一か二か知らないけど、日本一のホンダというメーカーが意識的に妨害してるんだよ。だからね、モーター関係のメディア、雑誌、新聞、もしこの取材を載せたら、ぜったいに広告を出さないと言い渡している。こんな汚いやり方ってあるか」。
人口3000人足らずの三宅島がオートバイイベントを開催し、復興と観光振興の起爆剤にしようとしている。それを大企業のホンダがメディアに圧力をかけてまで潰そうとする、というのが石原氏の怒りの発端である。
三宅島のステージに立った石原氏は5分間の挨拶のほとんどすべてを、モーターサイクルフェスティバルに反対するホンダ批判に費やした。
さらに、翌週もそれは収まらなかった。10月24日の定例記者会見で、ホンダへの認識を問われ、石原氏はさらに一歩踏み込んだ回答をする。「この問題は、やっぱりね、ホンダのおごりだと思う。僕はだからね、下っ端の重役とか部長に会ったってしようがないんでね……(中略)……今の社長がどんな人か知らんけどね、私、とにかく抗議に行きます」。
「東京都から正式にお会いしたいという申し出はございませんので、ホンダとしてはコメントできません」(本田技研工業広報部)
開催日は未定だが、モーターサイクルフェスティバルは来年も開催される方向で話は進んでいる。名指しされたホンダがこのまま沈黙を続けることが得策かどうか、考えどころである。